――その時に「一緒に映画をやろうと」となったわけですか。
亜紗美 光武さんは『片腕マシンガール』もご覧になっていて、あの作品に関わった全ての役者さんとスタッフを凄く尊敬しているとおっしゃってくださって、「ありがとうございます!」と仲良くなり(笑)、いつか光武さんが私の作品を撮ってくださると。それはお酒の席での口約束でしたが、それを現実にする、情に熱い人ですね。
――光武監督は過去に『モンスターズ』と『サムライ・アベンジャー/復讐剣 盲狼』を撮られていますが、亜紗美さんは観たことがあったのですか。
亜紗美 その時点で観たことはなかったですが、後日光武さんから『サムライ・アベンジャー』のDVDを頂き、初めて拝見して「あ、この人だな」と思って。お酒の席では、光武さんがどんな作品を撮られている監督なのかはわからないので、さすがに「代表作を撮って!」とは言えませんでしたが、『サムライ・アベンジャー』を観て確信しました。その何ヵ月後かに、たまたまドイツのコンベンション(11年5月)に光武さんと私が招待されて、一緒になった飛行機の中で「代表作を撮ってください」とお願いしました。その時、光武さんも「実は僕も温めている企画があるんだ」という話をされていて、それが『女体銃』だったのです。
――正式に出演のオファーがあったのはいつですか。
亜紗美 そこからまた2年ぐらい開きました。1度「やれるかもよ」という話はあったのですが、結局流れちゃって、「この話は無かったことになるのかな~」なんて思っていたのですが、そこからさらに1年後にいよいよ「できる」という話を頂いて。脚本を送ってもらったのですが、もう泣いちゃって全然読めなくて(笑)。
――うれし泣きですか。
亜紗美 それもありますし、制作が始まるまでの長い期間、光武さんとお互いの想いを伝えあっていたので、その時すでに運命共同体というか、夫婦とか、恋人とか、親友とか、どれにも当てはまらない“共犯者”という固い結束力があって、それだけで泣けてしまって。光武さんから「読んだ?」と聞かれても「すいません涙が止まらなくて読めません!」っていう話をして(笑)、それが昨日のことのようです。
――(笑)では、心を落ち着かせてから脚本を読んだ時の印象はいかがでしたか。
亜紗美 「やっぱりこの人だった」と再認識しましたし、あとは今すぐにでも(主人公の)マユミになって、早く世界に喧嘩を売りたい気持ちでいっぱいでした。
――後半はフルヌードでのアクションが続きますが、そこを読んだ時も動揺はなかったですか。
亜紗美 実は最初、パンツ一枚履いてアクションという案もあったのですが、「これは裸でしょ」と自分から言って、光武さんも「やっぱそう思う?」と言ってくれて(笑)。一応私のことを考えて布一枚用意してくれたようですが、裸になりました。2人の共通する想いとして、現存するジャパニーズ・エクストリームを超えるものでなければ意味がないということがありました。そうでなければ、海外に喧嘩を売ってもボコボコにされてしまうのが目に見えていたので。それと、「今までにない亜紗美を見せる」ことも意識しました。これまでの亜紗美像はコメディ色が強いので、今回それをやったところで真似事になってしまいますし、これまでのジャパニーズ・エクストリームを超えたことにはなりません。初タッグを組むなら、誰も見たことない亜紗美を見せたいねとなって、話を詰めていきました。
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