東映は1日、創立60周年記念作品となる吉永小百合主演映画「北のカナリアたち」の企画を発表した。
「北のカナリア~」は、北海道最北の島、利尻、礼文のある小学校を舞台に、先生と生徒に起きた謎の事件の真相が20年後に明らかにされていく姿を描くヒューマンサスペンス。
「(シナリオライターの)那須真知子と3年前より企画、シノプシスが湊かなえさんの原作(「往復書簡/二十年後の宿題」)とサスペンス性や設定が似ていると指摘され、湊さんの了解を得て原案とさせていただき映画化することに」とプロデュースを手掛ける岡田裕介東映社長。
これまで東映で吉永主演作品は「動乱」('80)から「まぼろしの邪馬台国」('08)まで12本が製作され、うち11本が岡田社長プロデュース作品。北海道開拓の物語をメインテーマに捉えた05年の「北の零年」が興収28億円を記録するヒットを飛ばし、作品的にも高い評価を獲得しており、再び北海道を舞台に設定した。メインスタッフも吉永さんと縁のある人を編成。前述の通り、脚本は「霧の子午線」('96)「北の零年」の那須真知子。製作プロダクションとしてプロデュースを担当するのが黒澤満セントラル・アーツ代表。吉永と同じく日活出身で、公開当時 “日本版マディソン郡の橋”と評判となり、東映で唯一岡田社長がプロデュースに関わらなかった吉永主演作品の「時雨の記」('98)を製作した。撮影監督はその「時雨の記」を手掛けた木村大作が参加。そして監督には現在公開中の「大鹿村騒動記」が評判となっている阪本順治。「今年完成直後の『大鹿村~』を見て決めた」(岡田社長)。岡田社長と吉永さんは大の将棋愛好家として知られているが、阪本監督は将棋を題材にした「どついたるねん」('89)でデビューしており、将棋が結んだ縁で実現した。
映画は「生徒ががけから落ち、それを助けようとした人が死ぬ。20年後、先生が生徒をめぐり次第に真相が明らかになっていく。先生の自分を見つめ直す姿を描いていく」(阪本監督)物語になる。今秋以降、東京・北海道でロケをスタート、来年6月までにロケを行い、秋に完成。12年秋以降、全国300スクリーン規模で公開予定。
なお、「なにもなかった最北の島の小学校に、吉永さん扮する先生が赴任し、歌を教えるわけですが、その天使の歌声を持つ子供役をオーディションする」(黒澤プロデューサー)。
詳細は映画「北のカナリアたち」オーディションサイトhttp://www.canaria-audition.jp/、Eメールでの問い合わせは、audition@toei.co.jpまで。
(代表取締役社長:指田 洋)