商業性重視で新設の「東京ドラマアウォード」授賞式も華やか グランプリはWOWOW「パンドラ」とテレ朝「点と線」
マーケット機能も強化してTIFFCOMと連携・協力
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商業性重視で新設の「東京ドラマアウォード」授賞式も華やか
グランプリはWOWOW「パンドラ」とテレ朝「点と線」
マーケット機能も強化してTIFFCOMと連携・協力
2年目の開催となり内容もより拡充された、NHK、民放の枠を超えて日本の放送業界が一丸となって取り組む「国際ドラマフェスティバルin TOKYO」(以下、国際ドラマフェス)が10月22日から24日に開催された。 準備期間が少なかった昨年の開催からから比べると、今年の国際ドラマフェスは各機能面が強化され、本格化した感のある充実した開催となった。
日本のコンテンツ業界の中でも、これまではほとんど国内消費だけで成り立ってきたテレビ番組・放送事業だが、昨今の経済的環境の悪さも後押しして、海外での展開も含めた二次利用などによる新たな収入の確保が必須となっている。そんな中で、日本の他のコンテンツ業界にはあっても放送界にはなかった“国際マーケット”の機能を大幅に強化するとともに、海外市場での展開を意識した新たなドラマ番組表彰制度「東京ドラマアウォード」を新設するなどにより、名実ともに国際ドラマフェスティバルとして新たな一歩を踏み出した。
国際ドラマフェスティバルの実行委員会の構成団体は、民放連、民放キー5局、WOWOW、NHK、スカパー、映連、松竹、東宝、東映、角川映画、ATP、音事協、CPRA、衛星放送協会、VIPO、日本映画テレビプロデューサー協会、という、放送・映像・芸能の各団体が参加する幅広い顔ぶれで、共催=総務省、経済産業省、協賛=電通、博報堂。 実行委員長は広瀬道貞民放連会長が就任。副委員長は昨年実行委員長を務めた重村一ニッポン放送会長と今井義典NHK副会長。
東京ドラマアウォード授賞式 今年から新設した、市場性・商業性に重点を置いたアウォード「東京ドラマアウォード」の授賞式及びパーティーは、10月22日夕刻より明治記念館で開催された。各受賞者及び関係者が出席して、華やかかつ盛大な式典となった。
「東京ドラマアウォード」は、日本国内に従来からあるテレビ賞のような、芸術性や内容面で評価する賞とは異なった性格の賞で、市場性・商業性に重点を置いて選ばれるアウォードとなっている。そのため、これまでの日本のテレビ賞では取り上げられることが少なかった、キッズ&ヤング部門やノンジャンル部門なども設定され、海外でも人気となりそうな特撮ものや新たな試みの作品なども取り上げられるようにされている。同賞の授賞式は、昨年に続いて石坂浩二と八木亜希子の2人が司会を務め執り行われ、既発表の作品賞、特別賞に加えて、個人賞各賞が発表されそれぞれ表彰された。
冒頭、国際ドラマフェス実行委員長の広瀬道貞・民放連会長が登壇し「これまで日本の放送業界では、
私たちが作ったドラマが海外でも評価されるのだろうかという不安も持っていたのだが、最近では海外のアウォードでも評価されるまでになっている。また今年から、テレビドラマを扱う比率も年々増えているという(映像マーケットの)『TIFFCOM』に、国際ドラマフェスとしてブースも出展し、全面的に協力することとなった。『TIFFCOM』も今日からスタートし、実際、会場は活況を呈していて、商談もたくさん入っているようだ。(ドラマの質及びビジネスの両面から取り組みを充実させる)国際ドラマフェスの第2回開催を何としても成功させたい」という旨を語り、開会宣言を行なった。
授賞式には、主演男優賞の佐藤浩市や、連続ドラマ・グランプリおよび脚本賞、演出賞を受賞したWOWOW「パンドラ」から出演の三上博史、柳葉敏郎、國村隼、脚本の井上由美子、演出の河毛俊作、さらに単発ドラマ・グランプリおよび演出賞、特別賞を受賞したテレビ朝日「点と線」の出演・内山理名、演出石橋冠、特別賞受賞の美術スタッフ、などが登場して華やかに行なわれた。
さらに今回の「国際ドラマフェス」の海外招待作品4作品の紹介も行なわれ、各作品の出演者らが登壇して内容説明なども行なった。
以下は、「東京ドラマアウォード」授賞式の模様。
▼特別賞=TBS「3年B組金八先生」武田鉄矢及びスタッフ
▼特別賞=テレ朝「点と線」美術スタッフ
▼助演女優賞=和久井映見(NHK「ちりとてちん」) ▼助演男優賞=堺雅人(NHK「篤姫」)
▼演出賞=石橋冠(テレ朝「点と線」)▼演出賞=河毛俊作(WOWOW「パンドラ」)
▼脚本賞=井上由美子(WOWOW「パンドラ」)
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