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インタビュー:濱名一哉 TBSテレビ 映像事業センター映画事業部長

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インタビュー:濱名一哉 TBSテレビ 映像事業センター映画事業部長

2008年05月20日
08年度目標は総興収200億円突破
 映画事業部新設から1年、TBS映画が目指すもの
 「恋空」大ヒット予想外?、商品化展開が大成功

08年度目標は総興収200億円突破
 映画事業部新設から1年 TBS映画が目指すもの
 「恋空」大ヒット予想外?、商品化展開が大成功

 TBSは06年度に「涙そうそう」「日本沈没」などで同社最高となる総興収191億円の好成績を収めた。昨春には「映画事業部」を新設、独立した組織で稼動した07年度も「恋空」の大ヒットなど話題作を振り巻き、現在公開中(3月8日公開)の「クロサギ」も好調だ。そして08年度は「花より男子」「私は貝になりたい」と注目作を投入し、06年度を上回る総興収を狙う。勢いづくTBSの目指す映画ビジネスとは何なのか、濱名一哉映画事業部長に話を聞いた―。




本誌 まず、昨年(07年)を振り返るとどんな年でしたか。

濱名 昨年はTBSで映画専門のセクション「映画事業部」が立ち上がった記念すべき1年でもあり、「どろろ」(興収34億円)も含め、「恋空」(同39億円)や「クローズZERO」(同25億円)の3本が大ヒットして好成績を収めることが出来た。07年度(07年4月~08年3月)で言えば、公開中の「クロサギ」も含めて総興収150億円以上を見込み、予算(利益)もクリアし前年度を若干上回ることが出来そうです。個人的には、私が昨年6月「藤本賞」を受賞し、その前年度(06年度)のTBS映画を総括的に評価して頂いた。06年の勢いを07年も継続してこれたと思うので、いろんな面で恵まれた年だったと言えます。



「恋空」大ヒット予想外?

本誌 昨年はとりわけ「恋空」が話題となりました。各賞も多数受賞し、最近では「恋空プロジェクト」(㈱魔法のiらんど、TBS等)がデジタルメディア協会「AMDアワード」で理事長賞を受賞されるなど、各方面で評価された。それにしても、制作費が比較的低予算でありながら興収39億円を記録したのは予想外だったのでは。

濱名 皆さん、そうおっしゃるんですよね(笑)。きっと、その半分ぐらいの興収を見込まれていたと思うのでビックリされています。でも、私としては、原作となったケータイ小説は新しい文化で、前例のないものなので、予想を上回る何か大きな動きがあると見ていました。興収40億円を記録した「NANA」は200万部の怪物ベストセラーですが、「恋空」は1200万人の読者を獲得していて、「NANA」同様に原作のパワー、ポテンシャルがあると感じていましたから。もちろん、ヒットするかどうかはギャンブルみたいなもので半信半疑ではありましたけどね。ただ、期末試験などのシーズンにもかかわらず、土曜・日曜を中心にたくさんの中高生の方たちが劇場に観て来て頂いた、これには驚きましたね。



商品化展開が大成功

本誌 「クローズZERO」では、TBSとしてはこれまで以上にタイアップ・商品化展開に力を入れました。興行面だけでなく、ライセンス・商品化のビジネス面でも成果を収めたのでは。

濱名 これまでも映画の商品化はやっていましたが、これほどの規模で展開したのは初めてです。コンビニエンスストアの「ローソン」とタイアップして、全国8300店舗で限定メイキングDVDや限定オリジナルグッズを販売したり、居酒屋の「白木屋」やラーメンチェーンの(株)ハートランド(ラーメン「むつみ屋」ほか全国117店舗)ともタイアップして、映画オリジナルメニューも出した。ニューバランスと組んでオリジナルスニーカーもTBS独占でWEB販売した。いずれも爆発的に売れましたので、次にもつながるので、大きな成果を上げたと言えます。


本誌 映画事業部が新設してまもなく1年が経ちます。それまでの映像事業部から分離、独立した組織となった。TBSだけではありませんが、放送局が放送外収入(広告外収入)の拡大を図っている中で、映画事業部への期待も高いのではないですか。

濱名 映画事業部が出来て、今までと比べて特に変わったようなことはしていませんが、1つの体制が整った感はあります。対外的にもアピールされ注目されるようになりました。人も若干増えて今は14名です。ただ、年間約10本の映画を手掛けていますが、人手不足の状況は変わらないですね。むしろ、何故か映画事業部になってからの方が忙しいくらいです(笑)。会社からの期待もあるでしょうし、当然、売上目標も掲げられるようになった。映画ビジネスはそう簡単ではありませんが、TBS映画らしい事業展開をブレずにやっていけば、自ずといい結果を出せるだろうと思っています。


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