ラジオ最前線:後藤亘TFM会長に聞く「JFN構造改革」
2008年04月23日
デジタル対応へ利益率10%の体質をつくる “贅肉”を削ぎ落とす/機器・回線から見直し
持株会社は馴染まない/各局の自助努力が必要
デジタル対応へ利益率10%の体質をつくる “贅肉”を削ぎ落とす/機器・回線から見直し 持株会社は馴染まない/各局の自助努力が必要 エフエム東京(TFM)をはじめとする全国FM放送協議会(JFN)38局は、来るデジタル時代に対応するため、各局がコンスタントに利益を出せる体質をつくる“構造改革”に今年から着手する。
ラジオ広告市場がインターネットの躍進などの影響で頭打ちとなり、地方には赤字を計上する局が増加している。こうした問題に加え、将来のデジタル化へ設備投資が必要となる中、どのような方策でこの危機を乗り切ろうとしているのか。陣頭指揮を執るJFN会長の後藤亘エフエム東京会長に話を聞いた――。“贅肉”を削ぎ落とす――改革を行う理由は何ですか。後藤 2011年以降にはラジオもデジタル化が始まります。それにはどういう形であれ、初期投資に1局1億、2億円は持っていなければならないでしょう。利益のある会社なら資本を出してくれる社も出てきます。逆に赤字体質の不良債権会社になれば、新規参入者に放送免許が奪われてしまうことがあるかもしれません。我々には社会性・公共性を持って築いてきたノウハウがあるのに、利益を重視する新規参入者に免許を渡してはいけません。
結成して25年も経てばいつの間にか“贅肉”も付いています。これを機にそうした矛盾の見直しを提案し、総務・番組などの委員会別に突っ込んだ議論をします。デジタル化までの4~5年間で“贅肉”を削ぎ落とし、シンプルな形で原点に戻るということです。
――具体的な数値目標は。後藤 経常利益率10%です。エフエム東京が出資するコミュニティFM局には、売上高1億円で1000万円の利益を出すところがあります。こういう現状があるのですから、可能性のある指標として38局を叱咤激励していきます。