JRAが、馬券の払い戻し率を6月から変更すると発表しました。
色々細かく言えば面倒になりますが、ようは三連単を現行の75%から72.5%に引き下げ、馬連を75%から77.5%に引き上げるというものです。
・三連単は、的中率は低いけど、当たった時の配当が魅力的。
・馬連は、的中率は比較的高いけど、当たった時のインパクトは三連単ほどではない。
その破壊力に魅了され、最近はみんなが三連単を買うようになってしまいました。
(3月4日付日刊スポーツによれば、昨年の投票別シェアは、三連単が35%、対して馬連は18%)
しかし何せ当たらないため、次のレースに投入する資金がなくなります。ここを改善するため、JRAは「みんなー! 当たりやすい馬連を賭けてよ~。払い戻し率も上げるからさ~。バンバン当てて、次のレースもたくさん買ってよ~」と呼びかけているわけです。
まあ、6月以降の馬券の買い方はそれぞれだと思いますが、今回のJRAの発表を受けて考えたことは、近年の競馬ファンの馬券予想の移り変わりようや、買い方の変化についてです。
私も、買う馬券の種類は三連単、三連複がほとんど。馬連はここ2~3年買ったことがありません。すると、必然的に「3着までに入る馬」探しの予想に主眼を置くようになりました。特に三連複の時はそうです。相手に関しても100円単位で手広く流すような(時には全流し)買い方に変わってしまいました。
しかし、三連単(04年導入)、三連複(02年導入)が登場する前は、馬券と言えば馬連でした。2着までに入る馬を探す。しかも、配当が低い分、点数を絞って自信のある馬券にたくさん賭ける。ゴール前も、単純に1着、2着の争いに焦点を当て、3着争いなんて正直なところどうでも良かったです。
今は、レースによってはゴール前の上位2頭の接戦そっちのけで、3着に自分の本命馬が入るかどうかばかり気になることも。そんな時、ふと「これって、競馬予想として正しいのだろうか…?」なんて思ったりもしていました。
私だけでなく、競馬新聞もすっかり三連単予想が主力となり、「ジェンティルドンナを本命に、6頭へ流す三連単マルチで」なんて感じになっています。何とも消極的な感じ。そういう意味では、馬連主流時代の方が、ギャンブルらしい競馬予想だったような気もします。
配当に対する見方も変わりました。そういえば、今は「万馬券」という言葉が死語になっています。馬連で万馬券を的中させれば、その後1週間は自慢できたものですが、今は三連単で万単位の配当なんて当たり前の時代。話題になるのはせいぜい100万馬券からで、大きなニュースになるのはWIN5で億単位の配当が出た時くらいです。
別に懐古主義というわけでもないですが、今回のJRAの発表はこんな時代の変化を感じさせるのでした。
ただ不思議なことに、馬連時代も今も自分の的中率の低さはたいして変わらないんですよね。「馬連で当てて次のレースも賭けてよ」と言われても…、正直「俺だってそうしたいわ! けど何買っても当たらないんだもの!」って感じです。