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【大高宏雄の興行戦線異状なし Vol.118】
「映画ドラえもん~」、ただ事でない “進化”

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【大高宏雄の興行戦線異状なし Vol.118】
「映画ドラえもん~」、ただ事でない “進化”

2013年03月12日

 東日本大震災から2年が経った。「映画ドラえもん のび太のひみつ道具博物館(ミュージアム)」が、昨年を上回るスタートを切ったが、2011年の「映画ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団」が、3月11日はちょうど公開7日目だったことを改めて思い出す。

 その日を境に当然ながら興行は厳しくなり、最終的には興収24億6千万円を記録。2000年以降の同シリーズとしては、かなり下位の成績に甘んじることになってしまったのである。そのことがあるので、今年の「映画ドラえもん~」の大ヒットぶりが、一段と感慨深げになった。

 その「映画ドラえもん~」は、3月9、10日の2日間で、全国動員59万7899人・興収6億6729万1850円だった(353スクリーン)。素晴らしいスタートである。2日間の興収比較では、昨年の「映画ドラえもん のび太と奇跡の島~アニマル・アドベンチャー~」(最終36億2千万円)の120.5%というのだから、たいしたものだ。

 東宝は、「40億円突破も確実視される」とリリースした。もし40億円を超えれば、2000年以降では、最高の成績となる(それ以前は配収計算)。ちなみに、昨年の「映画ドラえもん~」は、2000年以降ではトップ。だから、40億円を超えなくても、37億円前後で2000年以降の最高成績となるのである。

 その理由は、中身の充実感だろう。映画に登場した数々の “ひみつ道具” が、人気を博した。これに伴い、観客層に微妙な変化が起こった。かつてのドラえもんファンでもあった小学校高学年や中学生まで集客していたのである。さらに、親世代も子どもと一緒に映画を観る率が、これまでより高くなった。

 様々な中身の工夫によって、ドラえもん映画は、いわゆる “進化” を遂げている。これが、何より重要である。すでに、1980年の第1作「ドラえもん のび太の恐竜」(併映「モスラ対ゴジラ」)から33年経っている。この “進化” は、ただ事ではない。

 「オズ はじまりの戦い」は、3月8~10日までの3日間で、23万2076人・3億3643万5800円だった(584スクリーン)。春休み期間を視野に入れたファミリー層向き作品は、「ドラえもん」が、とてつもなく大きな目標である。

(大高宏雄)

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