京都精華大学(京都市左京区)は、2013年4月に「ポピュラーカルチャー学部」を新設する予定だと発表した。新学部では、大衆向きのポピュラー音楽やファッションを教える。文部科学省への事前相談は済ませており、来年4月下旬に正式に届出を行うという。
同大は、2006年に国内初のマンガ学部を設置して話題を呼ぶなど、従来の美術教育の枠を越えた取り組みで知られる。ポピュラーカルチャー学部が実現すると、マンガ学部、芸術学部、デザイン学部、人文学部とあわせ5学部体制となり、その領域は音楽、ファッション分野にまで広がることになる。
新学部は、音楽コースとファションコースの2つのコースで構成され、定員は118名を予定している。両コースともに文化人・知識人の育成にとどまらず、現代社会で広く受け入れられるヒットメーカーを輩出することを目指す。
音楽コースでは、ポップスやロック、クラブミュージックまでが研究対象になる。技術の習得だけでなく、市場やメディアの動向、そこでのビジネスモデルのあり方など理論面からも業界に迫っていくという。卒業生の進路は、ミュージシャンはもちろん、音楽プロデューサー、ライター、イベント企画者などを想定。将来的にミュージックシーンを揺さぶるクリエイターに育てるという。
ファッションコースでも同様に、技術指導以上の教育を施すことで、時流を見定め新しい流行を生み出す人材を育成する方針。「ポピュラーカルチャー学部」の教員や入試の日程・内容などについては文科省への届出後に発表される。
特に音楽クリエイターを目指すには、これまでは専門学校などで学ぶのが一般的だった。一部の4年制大学には専門コースが用意されているが、現状では第1選択とされにくい。京都精華大ではマンガ、アニメといった分野との連携も期待されることから、その動向が注目される。