110度CS放送(スカパー!e2)の申請受付結果は33社59チャンネルとなった。内訳はHDTV31社36チャンネル、SDTV20社23チャンネル。10月上旬に総務省が公表した。
チャンネル数で見れば、当初の予想を上回ったと言える。提出された申請書類が総務省のロッカーに収まらないほどだったという話も聞く。それだけ3波(地デジ、BS、CS)共用受信機で視聴できる110度CS放送の帯域は魅力で、新規参入組も多く、既存のチャンネルも高画質化に意欲的。ただ、申請書類の中には、内容十分でないものもあるらしく、総務省ではあらためて事業者を集めた説明会を行うことも検討しているらしい。認定時期については今年12月がメドだが、明言は避けている。公明正大な審査に細心の注意を払う総務省の姿勢も伺える。
空き帯域は96スロット。HDTV1チャンネルは16スロット程度(SDTV1チャンネルは6スロット)なので、HDTV6チャンネルを認定すれば埋まる。ただ、これは全て新規チャンネルの場合で、実際には既存のチャンネルが帯域を拡大するケースがあるため、スペースに多少の余裕が出来るので、実際にはHDTV6チャンネル、SDTV数チャンネルが認定されると予想されている。新規チャンネルとは、「スカパー!e2」(110度CS)で放送していなく、「スカパー!」(124/128度CS)で放送しているチャンネルがほとんどで、20チャンネル近く(編成内容や名称の変更も含む)ある。その中には、これまで110度CS放送になかったジャンルの韓国・アジア系、娯楽・ギャンブル系がある。
さて、どのチャンネルが認定されるか。認定されるか否かで、申請者の事業計画が大きく変わるため、軽々には言えない。当確間違いなし、なんて言われては困るという事業者もいる。下手に総務省を刺激したくないだろうし、昨秋の新規BS放送の認定の時のように大方の予想が少し外れたこともあったためだ。とはいえ、有力の候補の名は既に上がっている。それは先月初旬の日刊文化通信速報(放送版)で記したが、認定までにはまだ時間がある。しばらくの様子を見て、あらためて整理したいと考えている。
(戎 正治)