今年の夏興行は昨年を下回り、低調だった一昨年並みに
2011年08月22日
今年の夏の映画興行は低調な成績に終始している。
「トイ・ストーリー3」(興収108億円/7月10日公開)「借りぐらしのアリエッティ」(興収92億5千万円/7月17日公開)「踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!」(73億1千万円/7月3日公開)「劇場版ポケットモンスターダイヤモンド&パール幻影の覇者ゾロアーク」(41億6千万円/7月10日公開)「インセプション」(35億円/7月24日公開)などが公開され、年間興行収入新記録(2207億3700万円=前年比107.1%/入場入員1億7435万8000人=前年比103.0%)を樹立した昨年夏を大幅に下回り、一昨年並みとなりそうである。
そんな中で、トップを快走中なのが大ヒットシリーズ完結編となるWB「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2」だ。7月15日~18日の4日間で動員164万4060人・興収24億0246万1850円という今年最高のオープニング成績を記録。今回の作品で136億円上がれば、シリーズ8作品興収累計で1000億円を達成する出足を切ったが、その後、客足が若干落ちて現在は最終興収100億円の攻防といったところ。
次で好調なのが、PR「トランス・フォーマー/ダークサイド・ムーン」(7月29日公開)。今回はシリーズ初の3D作品で、シリーズ前2作(第1弾=40億円/第2弾23億円)を上回る40~45億円が見込まれている。
日本映画の興行成績上位3位を独占するスタジオジブリの最新作「コクリコ坂から」(7月16日公開)は、1997年7月公開の「もののけ姫」(配収113億円/興収194億円)以降もっとも低調な成績となりそうである。ファミリー映画が基本のスタジオジブリ作品にあって「コクリコ~」は高校生男女の青春ストーリーであり、幼児を中心としたファミリーを取り込めていないのが現状。お盆の時期(8月13日~21日)は前週を超えたりしたものの、ジブリの前作「借りぐらしのアリエッティ」(92億5千万円)や宮崎吾朗監督の前作「ゲド戦記」(76億5千万円)も大きく下回りそうである。
他に、「劇場版ポケットモンスターベストウィッシュピクティニと白き英雄レシラム/黒き英雄ゼクロム」(7月16日公開/38億~40億円)「カーズ2」(7月30日公開/35億~40億円)、「劇場版仮面ライダー オーズWONDERFUL将軍と21のコアメダル/海賊戦隊ゴーカイジャー」(8月6日公開/15億円見込み)「アンダルシア 女神の報復」(6月25日公開/18億~20億円)といったところであり、年間興行成績も前年を大幅に下回りそうである。
(代表取締役社長:指田 洋)