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アークF「TAKAMINE~」、“百年前から現代へのメッセージがある”

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アークF「TAKAMINE~」、“百年前から現代へのメッセージがある”

2011年05月28日

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 アーク・フィルムズ配給「TAKAMINE アメリカに桜を咲かせた男」が28日に公開され、有楽町スバル座で初日舞台挨拶が行われた。市川徹監督、長谷川初範、篠田三郎、渡辺裕之、田中美里、川久保拓司、ナオミ・グレースが登壇した。
(写真は、左からグレース、川久保、渡辺、長谷川、篠田、田中、市川監督)

 同作品は、日露戦争下で「日本とアメリカの架け橋」になることを願って尽力した、高峰譲吉博士の生涯を映画化したもの。高峰博士は、消化酵素タカヂアスターゼの発見、アドレナリンの結晶化などノーベル賞級の偉業で知られるが、その他にも多方面で活躍。20世紀初頭の世界をリードし、政府役人、化学者、実業家、日米親善特使という4つの顔を駆使した。彼の尽力によりアメリカへ贈られた桜の苗木は、百年の時を刻み、今では「世界で一番きれいな桜」と称されている。

 撮影は昨年10月に高峰の生まれ故郷である金沢でクランクイン。その後、日本国内のみならずハリウッドでも撮影された。主人公・高峰を演じた長谷川は「ハリウッドで撮影に参加した俳優は、周囲の人に“ノーギャラでもいいから映画に出ろ”と言われたそう。そのくらいアメリカの日系人社会の中で、高峰譲吉は大スター。大変な人物を演じたんだと、日本にいる時よりも、むしろアメリカで強く感じた」と、世界に通じる高峰の偉大さを披露した。

 男優陣よると「その美貌が注目を集め、ハリウッドで人気となった」という田中。「私は高峰と同郷で、『高峰賞』というものがあるのは知っていたが、どのようなことをした人なのかは映画を通じて知った。故郷にすごい人がいたんだと、誇りに思う」と語った。

 東日本大震災に話が移ると、渡辺は「水戸の実家が被災して、7割くらい壊れた」と明かした。渡辺は水戸の避難所を回り、リポビタンDが1人に2本ずつ行き渡るように配り、その際に、テレビCMで有名な「ファイトー!」「イッパーツ!」のやり取りを、渡辺と避難所の人々との間で何度も交わしてきたという。舞台挨拶当日も、日本中に元気を注入すべく、渡辺が「ファイトー!」と叫び、観客が「イッパーツ!」と返す場面があり、会場は大いに盛り上がった。

 実は、市川監督が、高峰の映画を作るのは「さくら、さくら」に続き2度目となる。市川監督は「劇中で『try,try again!』という言葉が何度か出てくる。この言葉にはそれほどの思い入れはなかったが、3.11の震災を経た今は思うところがある。『try again!』であれば“ちょっとやってみよう”くらいの意味だが、『try,try again!』となると再チャレンジというもっと強い意味になる。今の日本は、まさに再チャレンジの時期。今は脚を悪くしているが、脚が治ったら私は被災地に行って、この映画を是非見てもらおうと考えている」と述べると、会場からは大きな拍手が沸き起こった。

 最後にマイクを握った長谷川は「百年前の人たちを描いた映画だが、今を生きる私たちへのメッセージが沢山含まれている。彼らは、百年後を生きる私たちが幸せになるようにと願っていた。3.11以降は色々なことが起きて、気持ちの中での変化もあった。日本も変わらなければならないのかもしれない。そうした中で、百年前の人たちの思いが、映画を見た人に伝われば嬉しい」と述べ、舞台挨拶を締めくくった。

 同作品は、5月28日より有楽町スバル座ほか全国順次ロードショー。



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