演歌歌手、中村美律子と神野美伽の “最強コンビ” による2015年の新春特別公演が2日、大阪・上六の新歌舞伎座で幕を開けた。浪花人情喜劇「春の夢 浪花のカタキ討ち」と歌謡ショー「寿!浪花歌合戦」の2部構成で1月25日まで。中村と神野は初日の2日、開演前に劇場入口で集まったファンを前に挨拶。中村は「2人で火花を散らすのでやけどをしないでくださいね」と熱気を振りまき、神野は約2年ぶりのコンビ公演に「パワーアップした2人の出陣式です」と、それぞれ長い1ヶ月公演への意気込みを見せた。
2人による新歌舞伎座での公演は2012年10月以来。その時はかけ合い漫才のような名コンビぶりを披露したが、今回はさらに2人が “最強” にパワーアップした面を見せている。和太鼓グループ「打打打団 天鼓」による太鼓パフォーマンスも見物で中村、神野の2人も交じっての演奏は見るものを楽しませる。
実力派歌手2人による歌謡ショーは、タイトルの「寿!浪花歌合戦」通り、共に日本人の心にしみる歌を披露して迫力満点。中村は台詞入り「壺坂情話」「瞼の母」や「河内おとこ節」など、惜しげもなく次々と人気曲を歌い上げる。神野も「無法松の一生~度胸千両入り~」「ひばりの佐渡情話」、そして「酔歌(ソーラン節入り)」をジャズ風にアレンジして、迫力の中にニューヨーク風のお洒落さも感じさせる。
代表的なオリジナル曲のコーナーでは、中村が「この世は女で廻るのよ」(14年9月10日発売=キングレコード)、神野が「浮草の川」(同年5月21日発売=同)の新曲も披露する。
正月らしさを演出しようと工夫を凝らしたのが、歌謡組曲「桂春団治物語」。「浪花恋しぐれ」をはじめ、桂春団治を題材にした歌をそれぞれが歌い劇風に。観客からのリクエストに応える「昭和名曲リクエスト コーナー」もあり、盛り上がりを見せていた。