松竹配給『終戦のエンペラー』の記者会見が24日午後、東京・銀座の時事通信ホールで行われ、奈良橋陽子、ゲイリー・フォスター、野村祐人のプロデューサー3氏、出演の初音映莉子、西田敏行、中村雅俊、伊武雅刀、片岡孝太郎が登壇した。
同作は、ハリウッドが壮大なスケールで描く歴史サスペンス超大作。1945年8月30日、終戦直後の日本にGHQが上陸。マッカーサー元帥(トミー・リー・ジョーンズ)は部下のボナー・フェラーズ准将(マシュー・フォックス)に、ある極秘調査を命じる。戦争の真の責任者は誰か、日本の新たな礎はどう築かれたのかを描き出す。日本人キャストは、会見登壇者の他、羽田昌義、火野正平、夏八木勲、桃井かおりら。監督は『真珠の耳飾りの少女』のピーター・ウェーバー。7月27日全国RS。
▼奈良橋陽子P 今までキャスティングの仕事で、主に米国側から見た日本を描く作品に関わってきたが、ずっと逆のものを探していた。米国でもあまり知られていないフェラーズという人物に書物で出会い、彼を米国に紹介したいと思った。宮内庁に務めていた祖父から聞いた色々な話も加えて、世界に知られていないことを映画にしよう、世界平和のため、日米文化の調和のためにもやるべき作品だと強く思った。
▼ゲイリー・フォスターP この作品は私の人生を変え、キャリアの中でも特別な位置づけ。米日の文化や、互いになぜ大切な存在なのか、その理解が深まる。
▼野村祐人P 脚本を進めている時に3・11が起き、今この映画をなぜやるべきなのか、話し合った。特に日本は皆で力を合わせなきゃいけないという思い、それが僕にとってのモチベーションになった。
▼初音映莉子(フェラーズと恋に落ちるアヤ役)アヤはフェラーズを深く愛している。言葉には出さないけれど、心の中の思いがにじみ出てくる。所作よりも、そうした日本人としての気持ちの部分を意識した。
▼西田敏行(鹿島大将、アヤの伯父役)素晴らしい作品が出来上がったと確信した。米国から見た日本と天皇のあり方が、しっかりと描かれている。この作品に参加できて嬉しく思う。
▼中村雅俊(近衛文麿首相役)歴史物は、切り口が違うと、自分の知っているものと比べて、こんなにも違うのかと思った。有名でない人にスポットライトを当てるのは司馬遼太郎の小説のようで、これまでと全く見せ方が違った。
(写真は、左より伊武、中村、初音、西田、片岡)