四国いち小さな町で起こった奇跡の実話を映画化した「人生、いろどり」の完成披露試写会が4日、スペースFS汐留で行われ、御法川修監督、出演の吉行和子、富司純子、中尾ミエが舞台挨拶した。
徳島県の山間にあり、四国で最も人口が少なく、高齢化が進んでいる上勝町。不況に苦しんでいたその町で、70代、80代の女性たちが中心となり、山で採れる葉っぱを料理の〈つまもの〉として販売するビジネスを立ち上げた。いまでは年商2億円以上を稼ぎ出す程に成長し、町は潤いを取り戻し、人口増加を記録するまで変貌を遂げた。同作はそんな実話から生まれた物語。長い人生で一度も主役になったことがない3人の女性たちが、料理の脇役である〈つまもの〉との出会いを通じて、いきいきと輝き出す姿を描く。
キャストは前出の主演3人に加え、藤竜也、平岡祐太、村川絵梨、戸次重幸、キムラ緑子、大杉漣(特別出演)、粟田麗、佐々木すみ江、螢雪次朗らが共演。また、映画のラストを彩る主題歌「ヘヴン」を、サザンオールスターズの原由子がソロで担当している。
製作はアミューズ、ショウゲート、C&Iエンタテインメント、衛星劇場、花鳥風月、ネスト、ワンダーラボラトリー、関西テレビ放送、HORIZON。企画はアミューズ。制作プロダクションはC&Iエンタテインメント。配給はショウゲート。9月1日(土)より徳島先行公開後、9月よりシネスイッチ銀座ほか全国ロードショー。
完成披露試写会には、実際に葉っぱビジネスに携わる上勝町の人がゲストとして登壇し、会場から大きな拍手が贈られた。また、シニアチアリーダー「ジャパンポンポン」のメンバーが応援に駆けつけ、映画のヒットに向けて平均年齢60代を感じさせない元気溢れるダンスを披露した。
▼御法川修監督の話 撮影はちょうど去年の今頃。大きな震災に直面し、先のことを気にすると不安なことばかりだったが、(主演)3人が創造してくださるキャラクターをカメラの横で見ていて、今日一日をきちんと生きること、明日生きる目的を持つことが大切だと思った。
▼吉行和子の話 (演じた)薫は、70代にして初めて自分の道を歩き出した人。お金ができると、面倒臭い夫を見捨てて熟年離婚することが多いが、薫は、元気のなくなった夫を引っ張って一緒に幸せになろうという気持ちを持っており、楽しくやらせてもらった。
▼富司純子の話 出演オファーを頂く前に、NHKでこの方たちの特集を見て、人生楽しんでらっしゃるなと思っていた。
▼中尾ミエの話 映画の出演は久しぶり。私にはまだそこ(年代の役)には早すぎるんじゃないかと思ったけど、もう世の中的はその枠に入っているらしい(笑)。出演して得ることが多く、参加できてよかった。