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「毎日がアルツハイマー」監督ら完成披露

【FREE】「毎日がアルツハイマー」監督ら完成披露

2012年05月30日

 シグロ配給「毎日がアルツハイマー」の完成披露試写会が5月25日(金)、東京・東新橋のスペースFS汐留で開催された。映画の上映後には、関口祐加監督と、元NHK福祉ネットワーク・キャスターの町永俊雄氏によるトークショーが行われ、本作やアルツハイマー型認知症についてのトークが行われた。

 昨年、アルツハイマー病であると診断された母と過ごす毎日を2年半にわたり撮影した関口監督の動画がYouTubeに登場。介護に悩む多くの人々の共感を呼び、累計の視聴数は20万ビューを記録した。本作は、100時間以上にわたり撮影した記録を、母・ひろこさんの“喜怒哀楽”を通して描いた最新劇場版・長編動画として完成したもの(93分)。企画・製作・撮影・編集も関口監督が手掛け、特別協力はシネマテーク動画教室 バリアフリー映画研究会。7月14日(土)よりポレポレ東中野、銀座シネパトス、横浜ニューテアトルにて夏休みモーニング・ロードショー。宣伝はブラウニー。

 トークショーで町永氏は「私もこんなおじさんですが、人間って素晴らしいな、と素直に思いました」と切り出し、関口監督は「2年半にわたって母の姿を動画で発表してきましたが、それを1本にまとめるということで、この日を迎えられて本当に嬉しい。ありがとうございました」と挨拶。そして、本作に出演している遠藤英俊氏(国立長寿医療研究センター・内科総合診療部長)と、新井伊平氏(順天堂大学院教授)から送られたメッセージの上映が行われた。

 町永氏が「お母様のことを映画にしようと思った理由は?」と問うと、関口監督は「私は認知症になった母が好き。つまり、アルツハイマーになる前の母って凄く真面目でかたくて口うるさくって、いつも怒られてきたんです。でも、アルツハイマーになってからは、凄く性格がさばけて良いなと。ドキュメンタリーの監督はいつも魅力的な被写体を探しているんだと思うんですね、灯台下暗しだったんですが、ここに凄い被写体がいるみたいな、そういうノリでした」と明かした。

 最後に、町永氏の「本作を撮って、監督は何を感じたのでしょうか?」という問いに対しては、「母を見ていてつくづく感じたのは、アルツハイマーになったからといって人生不幸せなんだろうかということ。もうひとつはアルツハイマーじゃないからといって人生幸せなんだろうか、という人生について深く考えさせられました」と関口監督は答えた。

※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。