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第23回東京国際映画祭、閉幕

【FREE】第23回東京国際映画祭、閉幕

2010年11月02日

 第23回東京国際映画祭のクロージングセレモニーが10月31日、TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われた。コンペティション部門の東京サクラグランプリに選ばれたのは、イスラエル作品「僕の心の奥の文法」。本作のメガホンを取ったニル・ベルグマン監督は、長編デビュー作「ブロークン・ウィング」で同映画祭のグランプリ(第8回)を獲得しており、2度目の快挙となった。

 表彰を受けたベルグマン監督は「映画は作るプロセスが一番重要。しかし、日本で再び受賞することができ、賞も大事だと思ったよ」と語り、女優のオルリ・ジルベルシャッツと共に喜びを分かち合った。作品は、第3次中東戦争前のイスラエルを舞台に、成長を止めてしまった少年の心を通じて来るべき不穏な時代への抵抗感を描いたもの。

新藤兼人監督.jpg また、審査員特別賞は、新藤兼人監督作「一枚のハガキ」が受賞。車椅子で登壇した新藤監督(写真)が「これが私の最後の作品。98歳になり、これ以上は無理だと思う。この辺でお別れすることになる。皆さんも元気で映画を作って」とコメントすると、場内からはひと際大きな拍手が沸き起こった。審査委員長を務めたニール・ジョーダン氏も「新藤監督の作品が入ったコンペを審査することができて光栄だった」と、監督に最大の敬意を持って総評した。

 また、閉幕の挨拶で舞台に立った依田巽チェアマンは、「映画に国境は無い。我々は映画、映像産業のために、東京国際映画祭を力強く運営して参りたい」と語り、チェアマンのポストを2年間延長することを明言。「この映画祭をメジャーな、誰からも認められる素晴らしいものにしたい」と意気込みを新たにし、映画祭のテーマである「Action! for Earth!」と声を上げ、盛大なセレモニーを締めくくった。なお、今回の上映作品数は114本、総上映回数は275回で、劇場動員数は4万1862人。共催・提携企画動員数は13万4094人だった。

受賞者&受賞作品
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コンペティション部門

東京サクラグランプリ 「僕の心の奥の文法」

審査員特別賞 「一枚のハガキ」

最優秀監督賞 ジル・パケ=ブレネール 「サラの鍵」

最優秀女優賞 ファン・ビンビン 「ブッダ・マウンテン」

最優秀男優賞 ワン・チエンユエン 「鋼のピアノ」

最優秀芸術貢献賞 「ブッダ・マウンテン」

観客賞 「サラの鍵」
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TOYOTA Earth Grand Prix 「水の惑星 ウォーターライフ」
TOYOTA Earth Grand Prix 審査員特別賞 「断崖のふたり」
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最優秀アジア映画賞 「虹」
アジア映画賞 スペシャル・メンション 「タイガー・ファクトリー」
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日本映画・ある視点:作品賞 「歓待」
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※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。