ディズニー配給『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』のジャパンプレミアイベントが3日夜、TOHOシネマズ六本木ヒルズで開催され、2017年以来の来日となるジェームズ・マンゴールド監督が舞台挨拶した。
同作はボブ・ディランの若き日をティモシー・シャラメ主演で描く青春映画。監督は「まずリサーチをして脚本を書き、それを(ボブ・ディラン本人に)読んでもらったところ『とても気に入った、会おう』と言ってくれた。そして実際にお会いしてたくさんのことを学んだ」と回想。特に“フィーリング”についてディラン本人から聞いたと話し、「ファクトを伝えるためには“文章”が向いているかもしれないが、“映画”はその場やその時の世界、空気感を伝えることに非常に長けていると思う。そういった点で、その場にいた時にどんな気持ちだったのか、そこにいた人たちの雰囲気はどんなものだったのかをたくさん聞いた」と本人とのやりとりを明かした。
主演のティモシー・シャラメと同作の制作を決めたのは2019年だったという。監督は「あれから6年経ったが、ずっと彼は役に向かって作業をしていた。彼がキャラクターにどれだけの想いを費やしたのかは(映画を)見てもらえれば明らかだが、コロナ禍でも、ほかの作品の撮影がある時でも、ずっとボブ・ディランを理解しようとしている姿を私は見てきた」とティモシーの役柄に対する献身的な姿勢に敬意を示し、「ライブで歌っている冒頭のシーンは、撮影を始めた一週目に撮った場面だが、それを見ただけでこれは特別な作品になると思った」と自信を覗かせた。
同作はアカデミー賞で作品賞をはじめ8部門にノミネートされており、全米では2日時点で興収6684万ドル(Box Office Mojo調べ)を記録する大ヒット。日本では2月28日(金)に公開される。主演のティモシー・シャラメも来日する予定だ。