福島県浪江町出身のシンガーソングライター、牛来美佳(ごらい・みか)が、メジャーファーストシングル「いつかまた浪江の空を」(キングレコード)を2月22日に発売した。
東日本大震災の福島第一原発事故で、浪江町の住民は避難を余儀なくされた。「離れ離れになってしまったけれど、いつかまた浪江の空の下で会えるよう、それぞれの場所から歩いていこう」。故郷の復興を願い、牛来が詞を書き、作曲家の山本加津彦が曲をつけ、2015年に発表。2018年に避難先の群馬県太田市で「G‐namieプロジェクト」を立ち上げ、復興支援チャリティーライブを続けてきた。
「漠然とですが、紅白歌合戦に出たいという思いがありました。特に、2015年にこの曲を発表してからは、この曲で出場したいという夢になりました」
震災から11年目の2022年3月11日にキングレコードから配信でリリース。1年後の今年、メジャーファーストシングルとしてCD化された。
「伝えるために歌ってきましたが、どこか孤独感もありました。でも、続けてきたことでこの曲が少しずつ広がり、こうした機会に巡りあうことができて、諦めなくて良かったと思っています。私にとって大きな一歩。ここが新しいスタートです」
さらなる広がりに向けて、配信でのリリースを機に、全国の学校で「いつかまた浪江の空を」を合唱してもらう応援企画も始動。合唱用の譜面をホームページ(https://namienosora.com/)で無料公開した。
「私自身も福島や群馬に限らず、この曲を背負って全国をまわれたら、それ以上の嬉しさはありません。この機会を改めてのスタートラインとして、私も歌い続け、色んな方にも歌っていただき、新たな出会いや広がりに繋がればと思っています」