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東宝『罪の声』完成会見に監督、小栗&星野

【FREE】東宝『罪の声』完成会見に監督、小栗&星野

2020年10月01日
『罪の声』完成報告会見(左より塩田、小栗、星野、土井の各氏) 『罪の声』完成報告会見(左より塩田、小栗、星野、土井の各氏)

 東宝配給『罪の声』の完成報告会見が9月29日、東京国際フォーラムホールCで行われ、土井裕泰監督、出演の小栗旬、星野源、原作者の塩田武士の各氏が登壇した。新型コロナ感染対策のため無観客でのイベントになったことを受け、約1500人を収容する客席をバックにキャストらがトークする異例の会場仕様で実施された。

 16年「週刊文春」ミステリーベスト10で第1位を獲得するなど高い評価を得た塩田の同名小説を映画化。日本中を巻き込み震撼させ、未解決のまま時効となった大事件をモチーフに、事件の真相と犯人像に迫るストーリー。小栗が主人公の新聞記者を、星野が幼少時の自分の “声 ” が事件に使われていたことを知ってしまう、もう一人の主人公を演じた。

 2時間22分と比較的長尺になった同作だが、小栗は「飽きることなく、自分が出演した作品だが色々なことを考えながら見た。ものすごく好きなシーンでは心を鷲掴みにされた。とても有意義な時間を過ごせる映画」と話し、星野も「あっという間。台本や原作を読んだ時は、情報量があまりに多いので1本の映画にするのはどんなに大変かと思ったが、完成したものは本当に素晴らしい。(見たあとに)小栗くんに電話して『土井さんすごいね』と話をした」と述懐。原作者の塩田も「見終わったあとの試写室の打ちのめされた雰囲気が忘れられない。映像に圧倒された。待ちに待った重厚な社会派作品が誕生した。監督はよく2時間ちょっとにまとめたなと感激した」と数々のヒット作を手掛けてきた土井監督の手腕を絶賛した。

 松重豊、古舘寛治、市川実日子、火野正平、宇崎竜童、梶芽衣子ら演技派がずらりと脇を固めていることも注目点。土井監督は「僕が若い時から映画やテレビで見てきた方たちや、仕事でご一緒させて頂いた人にまた声をかけて出て頂いた。毎日毎日緊張感が途切れない、『1シーンだけなんですけど(よろしくお願いします)』というのが続いて、良い意味での緊張感をずっと保っていた」と話すと、撮影現場に1度足を運んだという塩田も「(その日は)すごく深刻な、小栗さん、星野さん、宇野祥平さんの対話のシーンだったが、役作りがすごい。宇野さんは見た瞬間に、壮絶な人生を歩んできた(役柄の)聡一郎だとわかった」と、俳優陣の巧みな演技に舌を巻いた。

 最後に星野は「過去の事件を扱っているが、今生きている僕たちにものすごく刺さるもの」と作品をアピール。小栗は「見終わったあとに考える時間を作れる映画。あれって何だったのか。実はこうだったのかもしれないと、考える時間も含めて映画を楽しんでほしい」と語った。10月30日(金)公開。

※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。

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