鑑賞者の心臓の鼓動がキーに、革新的VR映画
2020年08月28日
CGアーティストの伊東ケイスケ監督によるVRアニメーション映画最新作『Beat(ビート)』が、第77回ベネチア国際映画祭のVRコンペ部門にノミネートされた。伊東監督は昨年の『Feather(フェザー)』に続き2年連続の参加となる。
本編12分の『Beat』は、主人公のロボットが、もうひとりのロボットと友達になるために成長する物語。キュートなロボットの造形や、一切セリフが無いにもかかわらず世界の誰もが理解できる心温まるストーリー、廃工場を舞台にした独特の世界観に没入できるところが魅力の作品だ。
しかし、同作の最大のポイントは、鑑賞者自身の「心臓の鼓動」が物語に深く関わってくるという、かつてない仕掛けを組み込んだ点。鑑賞者は、VRヘッドセットを装着するほかに、この作品のための特別な機器「心臓ボックス」を手に持って本編を再生する。すると、作品の中に鑑賞者の「ハート」が出現。心臓ボックスと連携した聴診器を胸に当てると、鼓動のリズムに合わせて劇中の「ハート」が光り輝き、真っ暗な廃工場で展開するストーリーを明るく照らせるのだ。……