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「チェルノブイリ」開沼博氏らがトークイベ

【FREE】「チェルノブイリ」開沼博氏らがトークイベ

2019年09月21日
左より西山、開沼、今の各氏 左より西山、開沼、今の各氏

 スターチャンネルが25日から独占日本初放送する実録ドラマ「チェルノブイリ」のトークイベント付き試写会が19日、東京・渋谷のBOOK LAB TOKYOで行われ、開沼博(立命館大学准教授・社会学者)、西山里緒(ビジネスインサイダージャパン編集者)、今祥枝(映画・海外ドラマライター)の各氏が登壇した。

 同作は、チェルノブイリ原子力発電所で発生した人類未曾有の原発事故を、衝撃的な描写で描く話題作。原発事故に詳しく、チェルノブイリにも4度足を運んだという開沼氏は、作品について「面白かった。良いところは2つ。ひとつは、網羅的に描けている点。原発事故ってひどいんだよ、という話で終わってしまう作品が多い中で、この作品は非常に多様な側面を描けている。例えば、被ばくした動物を殺処分する兵士の葛藤や、裁判で事実を探求する過程など。一言で言い表せない良さがある。もう一点は、リアリティ。日本でも99年のJCO臨界事故で被ばくした方が亡くなり、映像にできるものではないなと思っていたら、(「チェルノブイリ」は)映像にした。その凄さを感じた」と魅力を語った。一方西山氏は、原発事故の専門家ではない立場からの視点として「被ばくするとこうなるのかと。ゾクゾクとして…。ビジュアルが衝撃」とし、今氏は「この作品を観る人は、ドキュメンタリーで(原発事故の作品を)山ほど観ている人も多いと思うので、題材的にはチャレンジングだと思ったが、膨大な調査の情報の中から、今振り返るならこのポイントを抑え、今でも通じる問題があるんだということを、すごくわかりやすく描いている。あと、衝撃的な映像も多いが、その割には泣かせたり、エモーショナルに訴えかけて涙を搾り取るようなところが少ない作りなのも好感を持った」と感想を語った。

 出演はジャレッド・ハリス、エミリー・ワトソン、ステラン・スカルスガルド。監督はヨハン・レンク(「ブレイキング・バッド」)。

※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。