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東映他『多十郎殉愛記』会見に中島貞夫監督

【FREE】東映他『多十郎殉愛記』会見に中島貞夫監督

2019年03月26日
 東映=よしもとクリエイティブ・エージェンシー配給『多十郎殉愛記』の記者会見が25日、都内・帝国ホテルで開催され、出演の高良健吾、多部未華子、木村了、永瀬正敏、寺島進、監督の中島貞夫が登壇した。

 『木枯らし紋次郎』シリーズ、『まむしの兄弟』シリーズ、『真田幸村の謀略』など50年以上にわたり数々の娯楽大作を世に送り出してきた中島監督の20年ぶりの長編時代劇であり、“京都撮影所の伝統であるちゃんばらを後世に伝えたい”という熱い思いから制作された。初めての本格的なちゃんばらに挑んだ高良は、根無し草のように生きるが、ひとたび剣を持てば凄まじい強さと色気を放つ多十郎、多部は儚げな表情の中に芯の強さを秘めた、ワケありの小料理屋女将おとよ役をそれぞれ演じている。

 会見には、ゲスト全員が和装で登場、レッドカーペットならぬ桜をイメージした「桜カーペット」の上を歩いた。また、特別映像も上映し、84歳の中島監督が力強く演出をかける姿、号令をかける姿などが収められていた。監督補佐には、『武曲 MUKOKU』などの熊切和嘉が付き、中島監督がスタッフ、キャストにちゃんばらを継承している様子を見ることができた。

 中島監督は、「ここにいるキャストとは、全員初めての仕事。20年、そんなに経ったかなと思ったが、本作には全力投球した。スタッフもキャストも皆頑張ってくれた。監督冥利に尽きる」と感謝を述べ、「ちゃんばららしいちゃんばらが次第に(映画の)画面から消え、時代劇のほとんどはテレビで放映されるようになった。僕は、(1964年の)東京五輪の前からこの業界に入り、来る日も来る日も時代劇を撮り、当時はうんざりしていた。だが、本格的な時代劇が減っていくなかで、一度徹底的にちゃんばらと向き合った時代劇を撮る必要性を感じた」と作品に込めた想いを語った。

 高良は、「本作は30代最初の主演となった。多十郎の一振りは、人を殺めるためのものではなく、愛する人を守るためであったり、自分が逃げるための道を切り拓くためであったり。本作は泥臭く、体と体がぶつかり合う、渋い時代劇」と同作の魅力を語り、「(撮影前)中島監督の最後の作品だと伺い、参加した。現場に行くたびに、きっと本作が最後ではないなと感じた」と確信を持った様子で話した。

 制作はよしもとクリエイティブ・エージェンシー、制作プロダクションはザ・フール。制作協力は東映京都撮影所。『多十郎殉愛記』は4月12日より全国ロードショーされる。
※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。