【FREE】国際短編フェス、最高賞はシンガポール作品
2018年06月19日
米国アカデミー賞公認、アジア最大級の国際短編映画祭「ショートショートフィルムフェスティバル&アジア2018」が17日、アワードセレモニーとレッドカーペットを明治神宮会館で開催した。20周年を記念して改称したグランプリ「ジョージ・ルーカスアワード」には、シンガポールのイーウェイ・チャイ監督『カトンプールでの最後の日』が輝いた。
『カトンプールでの最後の日』は同映画祭でのグランプリ受賞によって、次年度の米国アカデミー賞短編部門ノミネート選考候補となった。同作は、幼少期に通っていたカトン地区のプールが解体されることを聞きつけた主人公ベンジャミンが、過去に感じた魔法のような時間を取り戻そうと願いながらプールへ向かう物語。授賞式でチャイ監督は興奮気味に開催地の東京都と同映画祭に感謝を表した。
同映画祭のグランプリは、インターナショナル、アジアインターナショナル、ジャパンの3種の公式コンペティションからそれぞれ優秀賞を選び、そのうちの一本に最高賞を与えるもの。今年の審査員は、千葉真一、本仮屋ユイカ、三池崇史らが務めた。審査員を代表して三池は、「(受賞作品の)才能とスタッフの技術は本物。他の作品もどれも素晴らしく、ショートフィルムの可能性を改めて感じた。監督の勇気、誰しもが本当は感じている本音を、信念をもって表現する、その強さがすごい。これからも素晴らしい作品を作っていってほしい」と祝福の言葉を述べた。
終盤には、別所哲也代表が21年目の開催に向けた新プロジェクト「Ladies for Cinema Project」を発表した。世界中の女性映画人を応援するもので2019年本格始動する。この日、同プロジェクトに参加する女優・木村佳乃がゲスト登壇し、「(参加することが)とても光栄。20年以上このお仕事をさせていただいているが、まだまだ女性クルーは少なくて、男性が多いイメージ。多くの女性と作品を作っていきたい」と意気込みを語った。
同映画祭は24日まで開催。公式コンペティション受賞作品は次の通り。
<公式コンペティション受賞作品>
▽ジョージ・ルーカスアワード=イーウェイ・チャイ監督『カトンプールでの最後の日』
▽インターナショナル部門優秀賞=アンドレーア・ブルーザ監督、マルコ・スコトゥッツィ監督『不思議なヤギ』
▽ジャパン部門優秀賞、東京都知事賞=小原正至監督『THE ANCESTOR』
▽アジアインターナショナル部門優秀賞、東京都知事賞=イーウェイ・チャイ監督『カトンプールでの最後の日』
※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。