【FREE】国際Dシネマ(映)、OP『話す犬を~』上映
2016年07月20日
世界に先駆けて、デジタルシネマにフォーカスし、次代を担う若手映像クリエイターの登竜門として2004年にスタートしたSKIPシティ国際Dシネマ映画祭(主催:埼玉県、川口市)は、16日に13回目を数える開催初日を迎え、国内外からノミネート監督や審査員ほかゲストが来場してのオープニング・セレモニーを実施。24日までの9日間にわたる映画祭が華やかに幕を開けた。
会期中は、長編部門12作品、短編部門12作品、アニメーション部門12作品の3部門36作品がコンペティション上映され、審査員による最終審査を経て、最終日24日に各賞が発表される。
オープニング・セレモニーに登壇した映画祭実行委員会会長の上田清司埼玉県知事は、「今年も世界中の才能ある監督たちが、SKIPシティで花開くことを心待ちにしている」と挨拶。副会長の奥ノ木信夫川口市長は、「今年は、新たな試みとして、ベルリン国際映画祭で高く評価された『長江図』と、『I PHONE YOU』の中国映画2本を特別招待作品として、上映する。コンペ以外のこういった作品にも是非ご注目頂きたい」とアピールした。
また、オープニング作品として、映画祭が主体となり若手監督を抜擢してプロデュースした『話す犬を、放す』がワールド・プレミア上映された。上映前には、熊谷まどか監督、出演のつみきみほ、田島令子、木乃江祐希が登壇した。
同作ではレビー小体型認知症の母(田島)と売れない女優(つみき)が織りなす人間賛歌が描かれている。熊谷監督は、自身の体験をもとに手掛けた作品ということについて、「母がこの認知症にかかったことがベースになっていて、月並みだけれど、『親も老いるのだな』と思い、老いるということは、『少しずつ、赤ちゃんに近づいていくことなんだな』ということを、目の当たりにして描いた作品」とコメント。さらに、「でも私の経験をもとにしてはいるけれど、私も母も大阪のオバちゃんだし、つみきさん、田島さんが演じたような可愛らしい母娘ではないので、そこはフィクションというか、実在の人物とは、一切関係ございません」と会場の笑いを誘った。舞台挨拶の最後には、「初の長編作品で、とっ散らかってしまったことも沢山あったけれど、素晴らしい役者とスタッフに囲まれ、私が作ったというよりは、『凄い作品ができてしまったな』と思っている」と自信を覗かせた。
※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。