SPE『マネーモンスター』の舞台挨拶付き試写会イベントが2日夜、TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、プロモーションのために約8年ぶりに来日したジョディ・フォスター監督が登壇した。同作は、キャストにジョージ・クルーニー、ジュリア・ロバーツらを迎えたリアルタイム・サスペンス。フォスター監督作品4作目となる今作では、高視聴率を誇る人気財テクTV番組「マネーモンスター」の生放送中に起きた衝撃の事件を描いた。
当日は、最大スクリーン7(533席)を会場にして実施され、満席の盛況ぶりを見せた。この日のために東北地方など遠方から訪れる人もいた。老若男女が集い、フォスターの世代を超えた人気の高さが窺えた。サプライズで客席側から登場したフォスターは、拍手と歓声に応えながら壇上に向かい、「8年ぶりの日本は変わっているところもあるかもしれないが、いいところが変わってないことを祈ります」と笑顔で挨拶した。
司会からジョージとジュリアについて聞かれると、「2人とも素晴らしい役者で友人。特別な絆でマジカルな関係の中、スピーディーに現場を進行できた」と語った。ジョージはプロデューサーも兼任しており、「私が脚本を手にしたところから始まった企画。充分な形になったところで、ジョージに見せた。彼は色々と意見を言ってくれ、参加を快諾してくれた。そうして彼を巻き込んだ後、私たちのふるさとであるソニーに企画を持ちこんだ。企画が成立したのは彼のおかげでもある」と馴れ初めを明かした。
作品内容については、「本作には3つの世界がある。金融の世界、情報とエンタメが混ざった、今アメリカで流行っている番組作りの世界、ハイテクノロジーの世界。3つが合わさると危険な世界になる。そこに生中継というクレイジーさを加え、現実世界でのリアルとは何かを描いた」と説明した。
また、全米公開前の5月4日、フォスターはハリウッドの殿堂入りを果し、エンタメ界で名を馳せた人物の名が刻まれる、「ハリウッド・ウォーク・オブ・フェーム」に仲間入りした。「タイミングを待っていた。女優としてではなく監督として名前を刻みたかった。待ったかいがあった」と喜びを表現。さらに、 “日本のウォーク・オブ・フェーム” として日比谷の合歓(ねむ)の広場にも外国人監督として初めて手形を残すことが決まった。
今後の活動は未定だという。フォスターは監督業を「引き受けたら、作品が仕上がるまでは他のことを考えない」とし、同作の制作を終えた現在を「数年いっしょに過ごせなかった子供たち、犬とゆっくり過ごしたい」と話した。最後に、司会が「今後もご活躍に期待しています」と告げると、大きな拍手と声援が再び場内を包んだ。6月10日より全国公開。