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日活『極道~』トークイベに三池監督、市原

【FREE】日活『極道~』トークイベに三池監督、市原

2015年04月22日
左から三池監督、市原 左から三池監督、市原

 日活配給『極道大戦争』のトークショー付きプレミア試写会が20日に、六本木・ビルボードライブ東京で実施され、三池崇史監督、主役の市原隼人が登壇した。これは、同会場で行われ続けてきた台本のないトークイベント「三池崇史監督 presents 大人だけの空間」の企画として行われたもの。今回で15回目の開催となる。

 作品は、三池監督が自身の原点回帰と位置づけ、初心に戻って挑んだ極道エンターテインメント。「ヤクザヴァンパイアに噛まれるとみんなヤクザ化する」という完全オリジナル物語。製作委員会は日活、ハピネット、ギャンビット、OLM。

 三池監督は、「7年振りに市原君と仕事をした。本作は昨年の5月に撮影したもの。根っこは古くなっているが、変わらない何かが彼にはある。現代は勝新太郎の様なスターが生きられない世界になってきている。そんな中で、彼は尖っている部分を持っている俳優だ。また、我々映画人も、彼の様な人間が気持ち良く仕事出来る場所を作らなければならない」とコメントした。市原は「ぶっ飛んでいて、クレイジーな作品。こんなに何が起こるか分からない作品は初めてだった。三池組は信頼関係がしっかりしていて、監督が何か押しつける訳でなくスタッフが動くという素晴らしい環境の中、安心して演技が出来た」と語った。

 また、同作が第68回カンヌ国際映画祭の「監督週間」に正式招待されたことも発表された。「監督週間」は、69年に創設され、フランス映画監督協会が主催するもの。新しい才能や新人を発掘することや、巨匠監督の独創的な作品を上映し違う側面に焦点を当てることを目的とする。近年では、園子温監督『恋の罪』や、高畑勲監督『かぐや姫の物語』などが出品されている。

 原点回帰作が招待された三池監督は、これがカンヌ5回目。「監督週間」へのカムバックは、初めての正式出品だった『極道恐怖大劇場 牛頭』(03年)以来12年ぶり。その後、11年『一命』(コンペティション部門)、12年『愛と誠』(ミッドナイトスクリーン部門)、13年『藁の楯』(コンペティション部門)に出品されている。

 イベント後に、三池監督のみで行われた囲み取材では、「先ほど聞いたばかり。肩肘はらずに制作したエンターテイメント作が認められたことが嬉しい。楽しむべき価値がある作品であると認識されたと受け取りたい。俺というより作品が選ばれたと思う。外国人がイメージする古いタイプの日本人が映っていると思う。我々が失くしてしまった日本人像を市原は持っている。自分のことで言えば、12年前と同じ熱量を持って作品作りが出来ていることが素直に嬉しい」と喜びを語った。6月20日(土)よりTOHOシネマズ新宿ほか全国ロードショー。

※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。