グランプリはドキュメンタリーJら制作の「アンジェイ・ワイダ」 長年の功績を称え、故・村木良彦氏と工藤英博氏も表彰
映画ヒットの2社も表彰、25回の節目開催で特別賞として
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グランプリはドキュメンタリーJら制作の「アンジェイ・ワイダ」
長年の功績を称え、故・村木良彦氏と工藤英博氏も表彰
映画ヒットの2社も表彰、25回の節目開催で特別賞として
「第25回ATP賞テレビグランプリ2008」受賞式が10月21日夕、六本木ヒルズハリウッドホールで開催された。主催・社団法人・全日本テレビ番組製作社連盟(ATP)。
ドキュメンタリー、ドラマ、情報番組、バラエティの4部門の各最優秀賞に中から、会場での投票より決定するグランプリは、ドキュメンタリー部門最優秀賞のETV特集「アンジェイ・ワイダ 祖国ポーランドを撮り続けた男」(NHKエンタープライズ・ドキュメンタリージャパン/NHK教育)に決定した。
授賞式には各賞の受賞者がそれぞれ登壇して表彰された。
なお、今年も、JAPAN国際コンテンツ・フェスティバル(通称・コ・フェスタ)のオフィシャルイベントとして開催されている。
今年の受賞式の司会は、テレビ朝日・下平さやかアナとNHK・小林千恵アナが担当。
総務省政策統括官・戸塚誠氏が挨拶し
「放送を取り巻く環境は著しく変化しているが、コンテンツをさらに強化し流通を促進していく流れに期待している。ご存知のとおり政策としてもコンテンツ市場の規模を5兆円拡大する方針にあり、その中でも映像コンテンツの約7割を占める放送に対する期待は大きい。制作費の削減など厳しい環境にあるが、我々総務省としても創造へのインセンティブ向上へ2つの会で検討を進めている。一つは放送局と製作会社の間の取引ルール作りに向けたガイドライン作りを進めているところ。もう一つは、流通促進へマルチユースに取り組む、また権利と機会を広げる取り組みについて、いくつかのトライアルを行い進めていく考えだ」と語った。
NHK福地会長は
「よく昨今は三次元の変化の時代、変化の奥行きが深く、変化のスピードも経験したことがないほどに速いといわれる。また若者のテレビ離れもささやかれるが、テレビ離れがあったとしても、映像離れは有り得ないと思う。これからはニーズを超えたウォンツを呼び起こすものを提供していかなければならないと感じている。NHKでは、NHKと関連団体が作る作品を減らし、外部の皆さんに、向こう5年間でTV5波で全体の25%以上、衛星2波では40%以上を、制作会社比率にしていく方針だ。皆さんの力も借りて映像に力をつけていきたい」
民放連広瀬会長は
「視聴率にかげりが出始めているのだが、それはインターネットの影響だとは思っていない。だが以前はたくさんあった視聴率20%を超える番組も減っている中でも、良質な番組を作ってくださる皆様にお礼を申し上げたい。言葉の上の感謝だけではしょうがないので…。テレビ局は不況に接すると経費カットに進み、制作費カットともなりえる。数年前から制作費予算をカットされその影響から人材難に陥っているということも主張されてこられた。さらにアメリカの不況がさらにしわ寄せとしてくるのではないかと心配されているということも承知している。私どもはほとんどの番組でプロダクションにおんぶ・もしくは2人3脚で走っていると感じている。そんな中で、制作費を無謀な形でカットすると局に跳ね返ってくることを体験として知っているので、そういったことはないようにと、民放大会でも確認したいと思っている。番組の二次活用の面では、これまでに作った番組をいろいろな形で活用されれば、局もプロダクションも両方に利益になるはずだ。そういう形にもって行きたいと思っている。2011年に完全デジタル化すると、テレビの媒体力は今よりももっともっと大きくなっていく。その時に中身も質も増して作れるようにしていきたい」
中尾幸男・ATP理事長(C.A.L代取社長)は
「先日より、ATPの第7代理事長をおおせつかりました中尾でございます。テレビはかつてない厳しい状況に置かれていて、私ども製作会社にとっては、良質で魅力ある番組作りを続けることこそがテレビ局のパワーが増加する唯一の道と心得ている。25回目を迎えた今年のATP賞には過去最多の126作品の応募があった。現在ATPは119社の集合体へと拡大しています。」
と説明し、その後ATP賞の開会宣言を行なった。
■総務大臣賞TBS水曜スペシャル「風の歌が聴きたい -音のない世界に生きる聴覚障害夫婦の16年」
ウッドオフィス/TBS
ウッドオフィスの演出・プロデューサー小田大河氏
■総務大臣特別賞
ハイビジョン特集「残照―フランス 芸術家の家」かわうそ商会・NHKエンタープライズ/NHK‐BShi
かわうそ商会の正岡裕之プロデューサー
■新人賞伊東亜由美(NHKエンタープライズディレクター)
BSドキュメンタリー「お父さんに会いたい」の演出
高城朝子(テレビマンユニオンプロデューサー)
「たったひとりの反乱」食品偽装告発、『さきがけ』 となった男~ のプロデュース
■長寿番組賞(4番組)「怪傑!えみちゃんねる」(クラッチ/関西テレビ)
登壇したのは、重信好輝・クラッチ・ディレクターら
「歴史街道 ~ロマンへの扉~」(東通企画/朝日放送)
登壇したのは、明智絵美・東通企画・プロデューサーら
「トミーズのはらぺこキッチン 極」(メディア・プルポ/関西テレビ)
登壇したのは、伊東宏明・メディアプルポ企画事業部部長ら
「土曜スペシャル」(テレビ東京制作/テレビ東京)
登壇したのは、田中智子・テレビ東京制作制作部部長ら
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