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特集:DRP「デジタルラジオ・シンポジウム」開催

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特集:DRP「デジタルラジオ・シンポジウム」開催

2008年02月19日
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 第2部ではDRP黒田徹サービス運用委員長が今後のデジラジ展開について説明を行った後、パナソニックモバイルコミュニケーションズ、三洋電機、ピクセラ、電子情報技術産業協会(JEITA)、KDDIといった受信機メーカーからパネリストを迎え、ディスカッションを実施した。



黒田 徹 DRPサービス運用委員長(NHK総合企画室経営計画担当部長)  .
 アナログ放送との共存をベースとした実用化試験放送において放送エリアの拡大は困難であり、全国展開を視野に入れなければ車載機など受信機の発売が躊躇される。また、ユーザーの利便性を確保し、新たな放送の普及発展を目指すには、VHF帯での放送すべてに対応できる受信機が必要になる。2011年以降も継続したデジタルラジオ放送の実施に向け、実用化試験放送期間中にコンテンツの充実、事業性の確認、ユーザーニーズの把握が一番重要になってくるだろう。

 東京タワーから1セグメントあたり10kWで送信した場合、黄色の部分では受信できるが、水戸、前橋といった地域では受信できない。そのため、関東一円をカバーするには多くの中継局が必要になる。
 しかし、NHK‐FMと同じように中継局を設置し、同一周波数ネットワーク(SFN)で行うと図のように多くの地域で混信が発生し、受信できなくなる。関東一円だけでも複数の周波数を利用しなければならないが、合計34.5MHzの帯域を有効に活用することが必須となるため、1地域あたりの帯域幅が制限されることも視野に入れておく必要がある。






 パネルディスカッション「メディアの黎明期に受信機メーカーの想うこと」
 
 パネルディスカッションでは、受信機メーカーのゲストが、新たなメディアでの事業展開やデジタルラジオへの苦言・要望などの意見を述べ、活発な議論が展開された。


パナソニック・モバイルコミュニケーションズ(株)
佐々木邦夫
技術渉外グループマネジャー                    .
 携帯電話というのは、世界中どこでも使えるというのが目標。90~108MHzという帯域は世界中ではFM放送をやっている。この帯域で日本がマルチメディア放送をやるのであれば、世界中のFM放送を巻き取って、同じようなデジタル放送をやっていこうと声を掛けるのも良いのではないか。



三洋電機(株)
家田 一廣
オートモーティブカンパニー第一開発センター           .
 ラジオは音声が中心のメディアなので、そこでワンセグとどのような差が出てくるかがキーになるのではないか。車載機を開発する立場から言うと、ラジオは車の中では必須アイテムである。映像を見ることを禁止する走行規制などを考えると、ラジオは車載にすごく向いているので、デジタルラジオには期待している。


(株)ピクセラ
宅原 貞裕
経営企画室渉外担当理事                       .
 放送における放送事業者と受信機メーカーとの関係は、よく“車の両輪”と言われる。冒頭、(亀渕)理事長は、デジタルラジオというものが「チープなテレビになりたくない」と言っていた。受信機メーカーとしてみれば「チープなテレビ」を作るのは簡単なことだ。しかしそうではなくて、新しいメディアとしてどういうところを目指すのかを示すのは、車の両輪と言えども、放送事業者側なのではないか。

(社)電子情報技術産業協会(JEITA)
高柳 宣治
CE部会テレビネットワーク事業委員会デジタル放送専門委員会主査  .
 ユーザーの方からすると、地デジのように受信エリアのロードマップがはっきりしていて何年後に家は見られるのかというのが分かれば、安心感があり買っていただける。受信機メーカーとしても、エリアのロードマップが受信機販売の一番の判断基準となるので、デジタルラジオも考えた方が良い。



KDDI(株)
神山 隆
コンシューマ事業統括本部コンテンツメディア本部メディア推進部部長  .
 デジタルラジオに一つ苦言を言わせてもらうと、現状でラジオ各局の意思がバラバラなのはいけない。放送事業者がデジタルラジオに対する明確な意思を示して欲しい。
 励ましとしては、唯一、試験放送を行っているマルチメディア放送はデジタルラジオ。音楽のみならず様々なダウンロードサービスも行っている。この取り組みをしっかりアピールし、次の展開に活かして欲しい。


<モデレーター>
藤井 彰
DRP東京運営委員会副委員長(TBSラジオ取締役デジタル推進局長)  .
 「ラジオ事業者全体が真剣にデジタルラジオに向き合い、成功に導く意志があるかどうかをメーカーは見ている」という締めの原稿を用意していたが、まさにその内容を指摘されてしまった。
 ラジオは今厳しいときだが、デジタルラジオがこの厳しさを乗り切る唯一の道であると覚悟して取り組んでいきたい。


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