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インタビュー:新会社「(株)デスペラード」3役員に聞く

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インタビュー:新会社「(株)デスペラード」3役員に聞く

2006年11月21日

―それまでアミューズSEが出資する話はなかったのですか。

石田 宮下社長の中では新しいところを見つけて、出資も含めて一緒にやりたいという考えはあったのではないでしょうか。映像製作では、アミューズソフト販売から進化して、アミューズSEという形(04年)で僕ら制作チームが入って、出資・製作をやっていくようになったけど、宮下社長の中では制作部隊の一部を外に出そうと考えていたのではないでしょうか。ただ、企画・製作というのはタームが長いから、最終的な回収まで含めると、事業としてはなかなか難しい。それじゃあ配給業務もやろうと。そういう時に僕からフェイスの話が来たんだと思います。

手綱を締めてくれる人

―江崎さんが加わられた経緯は。

江崎 石田とはポニーキャニオンに同期入社(石田1月、江崎6月)で、彼が映像の方に移ってきてから同じフロアで仕事をしていました。その時からもう彼は、今回の社名と同じで“暴れん坊”でしたね。その後、彼はアミューズに行って、僕は香港に転勤後、角川ヘラルドに移ったんですが、今年のある日、突然石田からメールが来たんです。不思議なんですけど、その時直感的にまた人生が変わるのかなと思いました。すると、その直後に坂上さんから連絡が来たんです。ポニーキャニオンに入って、最初の2年くらいヘラルドに出入りしていて、その頃、坂上さんは宣伝部長で豪腕を振るっていましたね(笑)。最初に石田から話をもらった時は正直決めかねていたのですが、彼の「嫌われ松子の一生」を見た時に、他の邦画とは違うなと感じ、凄く大変だろうけど、一緒にやろうと決めました。安穏と暮らすよりはチャレンジングな方がいいかなと。

―江崎さんを誘った理由は。

石田 坂上さんと話していて、ほぼ同時に江崎の名前が出ました。それぞれ以前に仕事しているし、人となりがわかっているというのもあって。どちらかというと、僕と坂上さんはイケイケどんどんタイプなので、冷静にきちっと判断して手綱を締めてくれる人材が必要だったのと、江崎はポニーキャニオン時代に香港支社長をやったりしていて、マネージメントも経験しているから。これも運命的なもので、坂上さんも同意見でしたので、誘うしかないとなりました。

坂上 新会社設立のための細かな作業や親会社フェイスとの窓口になったりと、いま一番重要な役割を担ってくれています。


クリエイター重視の作品

―アミューズグループの新会社と大きく取り上げられ、フェイス側の発表と多少ニュアンスが違いました。どういった形で両社と関わっていくのでしょうか。

石田 デスペラードの基本的な概念はアミューズ側の発表したものに近いですね。映画製作・配給などの映像ビジネスを総合的に展開し、クリエイターと利益を共有できるような新しい映像ビジネスのシステム構築を目指すというもの。ただ、エンタテインメント業界的にアミューズ側の発表が大きく取り上げられてしまうことは平澤社長も了承してくれていました。

―「地獄の黙示録」「ロード・オブ・ザ・リング」三部作等の洋画の買付・宣伝、邦画では「ホワイトアウト」「あずみ」「亡国のイージス」等の製作を手掛けた坂上さんと、音楽の映像製作や宣伝を経て、洋画「CUBE」等の買付・配給、TVドラマ「スカイハイ」、映画「下妻」「松子」等の製作を手掛けてきた石田さんが融合し、どんな作品を手掛けていくのですか。

坂上 役割分担としては、日本映画の企画・製作を石田、僕の方は配給・宣伝業務と、それぞれプレイングマネージャーとして担当します。企画段階から東宝、松竹、東映さんや他の興行会社ともご一緒して、作品の規模でいろんな組み方をしていきたい。それともう一方で、洋画配給でデスペラードのブランド力アップを図っていきたい。江崎は、企画・製作、配給・宣伝以外の全て、総務・人事・経理・法務・財務を担当します。

(全文は月刊誌「文化通信ジャーナル」2006年9月号に掲載)


坂上直行(さかがみ・なおゆき)
1950年生まれ、73年日本ヘラルド映画入社、宣伝部に配属。宣伝プロデューサーとして、数多くの邦画・洋画を手掛ける。81年ヘラルド・エース入社。88年日本ヘラルド映画に戻り、映画製作のプロデュースも手掛ける。常務取締役営業本部長などを歴任し、04年3月に日本映画製作・配給室長に就任。05年6月同社を退社、角川映画(現角川ヘラルド映画)の取締役映像事業本部長に就任。今年6月同社を退社、現在に至る。


石田雄治(いしだ・ゆうじ)
1961年生まれ。大学卒業後、CBSソニーグループに入社。その後、ギャガ・コミュニケーションズ、ポニーキャニオンを経て、洋画の買付け・配給・ビデオ制作、音楽の宣伝・制作からTVドラマ制作を経験。02年にアミューズに移籍して、映像制作部立ち上げに参加。本格的にTV・映画の企画制作に携る。04年に系列会社であるアミューズSEに移籍。今年同社を退社、現在に至る。


江崎隆明(えざき・たかあき)
1985年レーザーディスク(株)に入社。89年同社を退社後、㈱ポニーキャニオンに入社、主に映像のビジネスを担当。01年5月より03年3月まで同社香港法人へ転勤、経営に携わる。帰国後は、映画部で制作、マーケティングを担当。05年同社を退社し、(株)角川ヘラルド・ピクチャーズ(現角川ヘラルド映画(株))に入社。海外への日本映画のセールスを担当。今年7月31日同社を退社し、現在に至る。



会社概要
【商    号】   株式会社デスペラード
【代  表  者】 代表取締役社長:坂上直行
           代表取締役副社長:石田雄治
【株 主 構 成】 (株)フェイス(62%)
           アミューズソフトエンタテインメント㈱及び
           デスペラード役員等(38%)
【所  在  地】 〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿1-23-23
                    恵比寿スクエア3F
           電話:03-5791-4780/FAX:03-5791-4781
【設 立 年 月 日】 2006年8月1日/【発行済株式総数】1,000株
【主な事業内容】 映画を中心とした映像作品の企画・製作・投資・買付・配給・宣伝
【決算期】 3月
【従業員数】 14名(予定)
【資本の額】 50百万円

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