ポニキャン、東京タワーの前にアーティストフレンドリーな音楽スタジオ開設
2022年12月07日
ポニーキャニオンは10月より新たな音楽スタジオ
「ポニーキャニオン タワーサイドスタジオ」の運用を開始した。オーディオ・ビデオの総合ポストプロダクション「サウンド・シティ」が2014年から今年1月まで東京・芝公園で運営していた「Sound City Annex」を引き継いだもので、代々木・渋谷に続く3カ所目の所有スタジオとなる。
同スタジオは東京タワー前に位置する「32芝公園ビル」に入居。ポニーキャニオン本社から徒歩15分という好立地で、地下1Fに構えるT1スタジオと地下2FのT2スタジオの2箱から成る。もともとは1979年開業の「日音スタジオ」を前身とした由緒あるスタジオで、「サンライズタワーサイドスタジオ」「Sound City Annex」時代を経て、本年度より新たにポニキャン管轄スタジオとして稼働する運びとなった。
同社ではすでに都内2カ所でスタジオ運用を行っていたが、
「アーティストに対し、よりフットワーク軽く音楽作りに励んでもらいたい」という思いから3カ所目の拠点作りに着手。昨年夏より場所を探しながら、同タイミングで譲渡に出されていた「Sound City Annex」を引き継ぐことを決定した。
スタジオとしての精度の高さはもちろん、楽器や専用機材を保管できる広いスペースも魅力的で、それまで発生していた運搬費や倉庫代といった経費を削減できることも利点の1つとなっている。
当初は4月から運用予定だったが、内装の老朽化にともない、2月から夏にかけて大幅なリニューアルを実施。両箱とも、それぞれの内観にあわせて壁紙や照明に手を加え、機材や空調なども一新した。
メインフロアと2つのブースを有するT1スタジオ(地下1F)では、ロビー部分を大胆に改修。壁紙を旧来の白から木目調&レンガ壁に変更し、大型ソファーやカーペット、キッチンスペースを設置するなどモダンでリラックスできる空間を実現させた。
<Before>
▲T1スタジオ(ロビー)
<After>
▲T1スタジオ(ロビー)
バンドレコーディングを行えるメインフロアの広さもストロングポイントで、機材面ではコントロールルームにSolid State Logic社の最新コンソール「ORIGIN」を導入。今後所属アーティストの専用スタジオとして機能させていくという。
▲T1スタジオ(メインフロア)
一方ボーカルダビング用のT2スタジオ(地下2F)では、コントロールルームの天井を白に統一。経年劣化の進んでいた壁紙も赤基調のものに貼り換え、明るく落ち着く空間に仕上げた。あわせてモニターやミキサー卓まわりの回線も整理。ロビーの家具を新調し、新たに喫煙ブースも設けるなど、全体的にスタイリッシュで利便性の高い造りに生まれ変わっている。
▲T2スタジオ(コントロールルーム)
▲T2スタジオ(ロビー)
▲喫煙ブース
ポニーキャニオンでは、6月に渋谷スタジオをドルビーアトモス対応スタジオに改修するなど、スタジオ整備を着実に進めており、タワーサイドスタジオに関しても「歴史あるスタジオなので良い形で継承していきたい」(制作技術部部長・能瀬秀二氏)としている。