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Amazon Music、渋谷に多目的スタジオを開設/島田和大ディレクター&GMに聞く

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Amazon Music、渋谷に多目的スタジオを開設/島田和大ディレクター&GMに聞く

2022年04月13日
 Amazon Musicは3月15日、東京・渋谷に多目的スタジオAmazon Music Studio Tokyo」を開設した。音楽制作やポッドキャスト用のスタジオ、撮影用スペースなどを備えた4つのフロアで構成され、オリジナルコンテンツの制作はもちろん、ライブ配信やイベント開催など、さまざまな用途で使用することができる。同スタジオを「アーティストとファンをつなぐ場所として提供していきたい」と語るのは、Amazon Music Japanディレクター&GMの島田和大氏。その狙いについて話を聞いた――。


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島田和大 Amazon Music Japan ディレクター&GM


アーティストとファンをつなぐ場に

 Amazon Music Studio Tokyoは、渋谷駅から徒歩で約10分。shibuya eggmanの上、LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)のちょうど正面にあるトップヒル神南ビル1~4Fに入居する。付近には代々木公園、NHK放送センターなどもあり、東京の文化発信源と呼べる絶好の場所に専用スタジオを構えた形だ。 

 施設としての最大のストロングポイントは、ハイブリッド型の音楽スタジオであるという点。1Fが受付 兼 レセプション、2Fが社員用オフィスとカンファレンスルーム、3Fがポッドキャストスタジオとコンテンツキャプチャースペース(撮影用スペース)、4Fがレコーディングロッジ(スタジオ)となっており、音楽や音声、映像の制作、ライブ配信、イベントの開催など、多様なニーズに合わせて使用することができる。  

 Amazon Musicでは近年、より多くの音楽をユーザーに届ける「more music」と、音楽以外のコンテンツを届ける「more than music」という2つの経営戦略を軸に掲げているが、その戦略実現のベースとして開設されたのが本スタジオだ。


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Amazon Music Studio Tokyo外観


 基本的な運営方針として、自社コンテンツとの関連性の有無に関わらず、レーベル・アーティスト側に広く開放していく考えで、島田氏は「たとえばライブのリハーサルやリアルイベントに使って頂いてもいい。コンテンツクリエーションのハブとしてはもちろん、アーティストとファンをつなぐ場所として提供していきたい」と話す。  

 氏が発した“アーティストとファンをつなぐ場所”という言葉は、今回のスタジオコンセプトを理解する上で欠かせないキーワードだ。前述の経営戦略でも示されているように、Amazon Musicはコロナ禍以降、ライブ配信や、独自の音声・映像プログラムといった、音楽以外のコンテンツ提供にも力を注いでおり、アーティストとファンの結びつきを強化する取り組みを積極的に行ってきた。昨年ディレクター&GMに就任した島田氏も、こうした“more than”の部分を非常に重要視しており、「Amazon Musicとしては、単なる音楽配信プラットフォームということだけでなく、このスタジオをうまく機能させることでより多角的にアーティストさんをサポートしていきたい」と語る。  


アーティストさんとのエンゲージメントを高めたい

 スタジオ設備で、島田氏が特に注目してほしいと語るのが1Fと4Fだ。1Fのレセプションには多数のスピーカーやDJブース、キッチンスペースが揃っており、コロナが落ち着き次第、企業の発表イベントや音楽イベントでの使用が想定されている。4Fのレコーディングロッジは100平米以上の広さを誇り、本格的なボーカルブースや、アーティストの控室として設けられた「GREEN Room」を完備。また、オーダーメイドのスピーカーと厳選されたレコーディング・ライブPA用の機材を取り揃え、「『スタジオ』という名に恥じないような設備になっています」と胸を張る。スタジオ設計を手がけたのは、デザイン性に定評のあるTORAFU ARCHITECTS。「コーポレート的な施設というよりは、自由な発想が生まれるような空間作りを意識した」(島田氏)という通り、スタイリッシュで居心地の良い内装が特徴となっている。  

 運営開始初日の3月15日には、いきものがかりがレコーディングロッジでファンクラブ限定のオンライントークイベントを開催。すでに同スタジオを利用したアーティストからも軒並み好評だという。 Amazon Music Studio Tokyoでは、スタジオ利用に関して使用料などは特別求めない方針で、島田氏は「我々としてはレーベルやアーティストさんとのエンゲージメントを高めながら、一緒に業界を盛り上げていきたいと考えています。ぜひ一度お声かけ頂き、積極的に利用して頂ければ」と呼びかける。


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(スタジオ内観/左上から時計回りに)1Fレセプション、2Fカンファレンスルーム、3Fポッドキャストスタジオ&コンテンツキャプチャースペース、4Fレコーディングロッジ

        
日本市場の成長に貢献

  島田氏は2010年から約10年間、ユニバーサルミュージック(UM)で活躍。コーポレート・エグゼクティブとして、デジタル・ストリーミング事業開発を含む複数の事業部門を統括していた。その後20年9月にAmazon Musicに入社。Amazon Musicアーティスト&レーベルリレーションズディレクターを経て、昨年11月に日本におけるAmazon Musicビジネスを統括するディレクター&GMに就任した。 

  この10年で、フィジカルからダウンロード、ストリーミングへと音楽市場も着実に移り変わりを見せているが、島田氏自身は「UM時代から自分のミッションは一貫していて、デジタル市場の形成と拡大、新しいコンテンツの価値をカスタマーに届けること。今年はAmazon Music Japanディレクターという立場でそれをまい進していきたい」と意気込む。 

  Amazon Musicでは現在、世界中で専用スタジオの建設、開業を予定しているそうで、東京スタジオはそれに先駆けてのオープンになるという。 この背景について島田氏は「(Amazon Musicは)グローバル戦略の中で日本という市場の重要性を非常に高くみています。世界第2位の音楽市場であること、J‐POP、K‐POPなどが人気で、市場の独自性が強いことが理由です」と説明。

 「日本マーケットに精通する人間がAmazon Musicのヘッドになっていることもその証」とし、「今後、渋谷というカルチャーの発信源から日本市場の成長にしっかり貢献していきたいと思います」と力強く語ってくれた。島田氏の手腕に期待が集まる。


(取材・文 白井良資)

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