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トムス・エンタテインメント 鈴木義治社長“新たな事業領域に対応”

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トムス・エンタテインメント 鈴木義治社長“新たな事業領域に対応”

2018年10月16日

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 今年春公開の劇場版がシリーズ新記録となる興収86億円を突破した『名探偵コナン』。そのアニメーション制作を担っているトムス・エンタテインメントは、夏公開の映画『それいけ!アンパンマン』も近年のシリーズで最高興収となる6億円を突破するなど、手掛ける作品の好調が続いている。

 前身の東京ムービー時代から数えて来年55周年を迎える同社は、実績のあるアニメーション制作だけでなく、IPの運用や海外展開といった事業会社としての機能整備にも近年力を注いでいる。

 鈴木義治代表取締役社長(=写真)は、2014年に親会社セガサミーホールディングスのグループ会社から赴任し、トムスが持つIPのグローバル展開を念頭に指揮をとってきた。また、従来横のつながりが少なかったというアニメーション制作会社の橋渡し役となり、昨年「アニメフィルムフェスティバル東京」の開催実現にこぎつけた。今年の開催でも実行委員長を務めるなど、自社の事業のみならず、業界の活性化にも一役買っている。





作品が財産、海外展開視野


──2014年に社長に就任され、トムス・エンタテインメントの特長や強みはどこにあると感じられましたか。

鈴木 来年55周年と歴史が長く、これまで手掛けてきた数多くの作品が何よりも財産です。ちょうど私がトムスの社長に就任した年が50周年で、社員が周年イベントを頑張っていたのです。その中で、何年にどの作品を手掛けたのか、年表も作りまして、それを見ると、「ああ、これもあれもうちが作っていたのか」と。私は60歳を過ぎていますが、子供の頃に観ていたものがたくさんありました。今まで継続してアニメーションを制作してこられたのは、皆さんに支持されてきたのが大きいと思います。エンタメを手掛けるセガサミーグループとしても、映像を扱うトムスは将来的にも重要な位置づけです。

──社長就任にあたり、どんなミッションがあったのですか。

鈴木 トムス社長就任の命を受けた際、上司にその理由を聞くと、トムスももっと海外での展開に力を入れろと。歴代社長がこれまでも海外展開はおやりになっていますが、1作品ごとではなく、もっと組織的に、戦略的にトムス作品の海外認知度を上げていってほしいと言われました。私はそれまで海外が長かったものですから、経験を活かしてやってくれと。

──海外では何をされていたのですか。

鈴木 アメリカのサミーで社長を務め、特にアミューズメント事業を主体としていました。制作したものをアメリカ市場のディストリビューターに販売するとか、アメリカを拠点にヨーロッパや南米などに市場を広げていきました。その後は、セガとの統合に伴いセガに移りました。アニメの経験はなかったですが、エンタメ事業を手掛けてきたので、アニメとのメディアミックスという点ではかなり関連している分野でした。グループとしては、1つのIPをトイやゲーム、映像、遊技機などに、アニメで広げていく、しかもグローバルに展開していく方針なので、私が指名されたのだと思います。

──セガサミーグループの中で、すでにトムス作品の活用はかなり実現できているのですか。

鈴木 ある程度は、ですね。例えば「コナン」のアミューズメント用のUFOキャッチャーの景品などは、大きく貢献しています。トイでも、グループで「爆丸(ばくがん)」に取り組んだり。我々は、グループにおいてはセガサイドの一員ですが、サミーの遊技機でも一緒にできたらいいなと思います。いずれにしても、まだまだやれると思います。バンダイナムコさんなどはうまく連動されています。うちはそこまでには達していないものの、その分可能性も秘めており、積極的に展開していくことで大きな成果を得られると思っています。


社内に6つのスタジオ

──事業展開のお話を伺う前に、まずトムス・エンタテインメントの組織のことを伺えますか。社員数は何人でしょうか。

鈴木 今は256名です(9月時点)。当社の子会社も含むと450名強です。

──制作本部の下には「V1 Studio」や「3×Cube」など6つのスタジオがありますが、これは子会社ではなく、社内のチームの名前でしょうか。

鈴木 チーム名です。私が就任する前ぐらいまでは、第一制作部、第二制作部、○○スタジオ、○○課という名称でしたが、どのチームがどの作品を手掛けているのか、個性を出した方がいいという判断で、それぞれのスタッフが自分の部をネーミングしたのです。例えば、V1 Studioは「コナン」、3×Cubeは「アンパンマン」、制作8班は「弱虫ペダル」、トロワスタジオは「ルパン」、ローグスタジオは最新作として「スペースバグ」などを手掛けています。だぶるいーぐるは、「バキ」などをはじめとした作品のほかに、遊技機等に提供するアニメ映像も制作しています。1チームで同時期に担当できる作品数は2~3作が限度ですから、チーム毎にどのように担当していくか、運営していくかが課題です。

──一応確認ですが、各スタジオがそれぞれたくさんのアニメーターを抱えていて、絵を描いているというわけではありませんよね。各チーム数人ずつですか。

鈴木 チーフプロデューサー、プロデューサー、アシスタントプロデューサー、デスク、制作進行がいます。つまり、制作の責任者やマネジメント担当が、それぞれのスタジオにいるという形です。アニメーターに関しては、各チームが作品に基づいて編成・外注しています。ただ、ヘッドクリエイターに関しては専属契約して、弊社の中に、ご本人の机を持って、連日のように通って頂き、演出や原画を描いて頂くというケースもあります。


続きは、文化通信ジャーナル2018年10月号に掲載。


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