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新生ワーナー この2人が引っ張る/ワーナー・ブラザース映画 山田邦雄 高橋雅美

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新生ワーナー この2人が引っ張る/ワーナー・ブラザース映画 山田邦雄 高橋雅美

2015年11月26日

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左が山田氏、右が高橋氏


 ハリウッドメジャーの一翼、ワーナー・ブラザース映画が、大きく変わろうとしている。
昨年2014年にトップ3人が退社してから約1年が経過した。今は、組織の舵取りを、新たなトライアングルが担っている。ミラード・オゥクス代表、営業部の山田邦雄バイスプレジデント、マーケティング本部の高橋雅美バイスプレジデントの3人である。
人事は組織を大きく変える。まさに一大事だが、これを好機ととらえることもできるだろう。ワーナーのこの1年をみていくと、実はその好例になっていくのかもしれない。
 大きな転換期を迎えたワーナー。この8月にバイスプレジデントに昇格した営業部の山田氏、同じ8月にディズニーからワーナーに移った高橋氏。新生ワーナーのキーパーソン2人に聞いた。


社内コミュニケーション


――昨年のワーナー・ブラザース映画では、代表だったウィリアム・アイアトンさん(今年3月まで相談役)、副代表だった久松猛朗さん、マーケティングのトップだった大崎貴之さんが相次いで会社を去りました。非常に大きな人事でしたが、それ以降、社内にはどのような変化がありましたか。

山田 映画部門を統括していた3人が1年のうちに会社を去ってしまったのですから、本当に驚きました。特にアイアトンさんは26年間にわたり映画部門の代表であり、ワーナー エンターテイメント ジャパン(WEJ)の社長であり、顔も広く、社内外で影響力のある方でした。

――アイアトンさんに代わって、ワーナー・マイカル元社長のミラード・オゥクスさんが映画部門代表とWEJ社長に就任しました。

山田 ミラードが昨年11月から来て、米本社も含めてまず話したのは、とにかく混乱を起こしてはいけないということ。ワーナーをずっと引っ張ってきた3人がいなくなり、営業・宣伝を含め社内が混乱しかねない状況だからです。幸い、ミラードとは初対面ではなく、ワーナー・マイカル社長時代に何度か会って話をしたこともあるので、混乱を起こさないためにはどうすればいいか、ミラードと色々な話をしました。具体的には、タテ割りになりがちな組織にヨコの風を通す、垣根をなくす、そしてコミュニケーションを取りやすくする、若い人たちの意見を吸い上げ会社に生かしていく、そのような形を作っていこうということでした。
 一方で、映画を当てることが我々の最大の役目であり、映画が当たっていけば会社の雰囲気は必ず変わってくると思っていました。実際、ミラードが来て数カ月が経ち、今年2月に『アメリカン・スナイパー』、4月に『龍三と七人の子分たち』とヒットが続き、社内の雰囲気が良い方向に向き始めました。それに合わせるように若い人が自らアイデアをあげるようにもなっていきました。この秋も『ヒロイン失格』や『マイ・インターン』が好成績をあげ、さらに良い感じになってきています。


きみの一番好きな映画は?

――ミラード社長は興行畑でキャリアを積んできたと思いますが、配給業務は初めてでしょうか。

山田 ええ、初めてです。ただ、彼が社員と面談した時、一人ひとりに「きみの一番好きな映画は何だい?」と聞いていったんです。お父さんが興行をやっていた映画一家育ちで、映画をこよなく愛し、ミラードは「映画人」という言葉どおりの人です。言語が英語ではありますが、「映画」を通じてコミュニケーションが非常に上手く取れたと思っています。

高橋 僕は8月から入って、社内の雰囲気もコミュニケーションも非常に良いと感じます。ミラードや山田が、そういうものを作ってきたんだと思います。ミラードは本当にコミュニケーションを一生懸命に取るし、映画のこともよく知っているし、人の話をよく聞いて、ベストなことを考えようとする。それに、WEJの社長として映画部門と他部門との垣根をなくし、全社的に取り組むこともすごく意識してやっています。

――高橋さんは、8月にマーケティング本部バイスプレジデントとして入社しました。11年間在籍した前職のディズニー時代は、どのような仕事をしていたのですか。

高橋 ディズニー時代はスタジオマーケティングのヘッドとして、映画だけでなくホームエンタテインメントや韓国での事業もみていました。ワーナーに来て、もっと映画に時間を使えるようになりました。

――ワーナーでは、映画だけをみるのですね

高橋 そう、映画だけです。マーケティングの中では一番シニアなので、全社で何かやる時には手助けしていくつもりですが、本職は映画を当てるということです。営業の山田とタッグを組んで、映画部門全体を良くしていく。洋画にしろ邦画にしろ映画を当てていくシステムを作っていきます。

続きは、文化通信ジャーナル11月号に掲載。

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