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インタビュー:パラマウント ピクチャーズ ジャパン 星野 有香 マーケティング本部長

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インタビュー:パラマウント ピクチャーズ ジャパン 星野 有香 マーケティング本部長

2011年12月09日


トム・クルーズが来日


 ――タイアップが強力ですね。

 星野
 5大タイアップを組んでいます。グローバルでコカ・コーラ、BMW、エミレーツ航空(ドバイ)の3社、国内で丸大食品、呉工業の2社です。コカ・コーラは10月から映画のシーンを使ったTVスポットを2千GRP規模で投下した他、交通広告、WEBキャンペーンなどを実施。また、映画館でシネアド、コンセッションと連動したプロモーションも行います。コカ・コーラとのタイアップは、3億5千万円相当のメディアバリューがあります。丸大食品との展開は9月にスタートし、TVスポット、チケットプレゼントキャンペーンなどを行いました。呉工業とは09年公開「トランスフォーマー/リベンジ」でもタイアップを組んでおり、今回は12月から展開します。

写真③.jpg 5大タイアップ以外でも、プロモーションチームが積極的に動いています。全国の警察とタイアップして防犯キャンペーンに協力します。また、an(インテリジェンス)とは“ドバイでバイト”と銘打ち、ドバイで行うワールドプレミアでトム・クルーズらが歩くレッドカーペットの清掃員1名を、宿泊料・交通費も含めて招待する面白い企画も行います。

 ――媒体での露出は?

 星野
 TVスポットは15秒、30秒、60秒を用意し、11月26日からスタート。パブリシティは雑誌10媒体以上で表紙を飾り、キャストのインタビューも出るなど、大型の露出となります。

 ――この映画はトム・クルーズが来日しないと始まりませんね。

 星野
 ええ、そのとおりです。トム・クルーズはブラッド・バード監督、共演のポーラ・パットンらを引き連れて11月30日に来日し、翌12月1日にはファンスクリーニング(映画上映と舞台挨拶)、記者会見などでフル稼働してもらう予定です。実は、トム・クルーズはこの時期に、劇中のイーサン・ハントと同様に世界11ヶ国(韓国、インド、ドバイ、フランス、英国、米国、ブラジルなど)を巡るキャンペーンを行うのですが、その最初の地として日本へやって来るのです。

 ――日本を愛するトム・クルーズのことですから、東日本大震災後の日本に対して、何かメッセージを発信するのではないですか。

 星野
 やはり今回の来日にあたり、トム・クルーズも色々と考えていることがあるようです。詳細はまだお話できませんが、彼の思いが形となり、日本中に広がっていくようにサポートできればと考えています。



公開後の宣伝費大きく


――作品はいつ完成しますか。

 星野
 11月20日頃に本編が完成し、そこから字幕作業が始まりますから、トム・クルーズ来日時の上映がほぼ初お披露目になる予定です。日本公開は米国と同じ12月16日(金)で、12月14日(水)に初日を迎えるフランスが世界最速公開となります。

 ――P&Aは、当然2ケタ?

 星野
 ええ、そうですね。今回の宣伝で特に意識したのは、公開前後での宣伝費の振り分け方。通常であれば公開前に8~9割を使いますが、今回は公開前6割、公開後4割とし、“後”の比重を高めました。すでに高い認知度がありますから、公開後のメッセージの出し方が動員を大きく左右するとの判断です。12月16日公開からクリスマス、お正月、1月の3連休(1月7~9日)まで、最初の4週間をしっかり取り組みます。映画館での宣伝展開についても、シアターマーケティングのチームがシネコン各社と密にコミュニケーションをとって、継続的な劇場キャンペーンを提案しています。

 ――興収目標は?

 星野
 ズバリ100億円を狙います。今年の映画興行はここまで前年比約2割減で推移し、その分、予告編などに接する機会が必然的に減るので、多少の心配はあります。この映画界全体の停滞感を払拭し、映画館にお客さんを呼び戻すのが、この映画の“ミッション”であると思っているのです。「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」を見て、映画館で映画を見る楽しさを再確認してもらい、次回の来場につなげていきたいです。

星野氏.jpg――星野さんが7月にパラマウントに入社して、ここまでの大作は初めてです。どんな思いですか。

 星野
 まさに“ミッション:インポッシブル”、興収100億円は絵に描いた餅です。今年で言えば「パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉」や「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2」も100億円には届かず、普通に考えたら無理であろう目標です。でも、この映画に期待する声は非常に大きく、ベースとなる部分があるのも事実です。不可能かどうかは、やってみなければ分からない、挑戦したいというのが、今の正直な心境です。こうした思いは、トム・クルーズの情熱にも通じるところがあります。あれだけの大スターが、映画を面白くしようという一心で、不可能にチャレンジしている。配給を手掛ける我々も、同じくミッションに挑戦し、不可能を超えていく覚悟です。

 私個人としても、長年お世話になったギャガを離れ、パラマウントに入り、今回メジャーらしい大作を担当することを、とても嬉しく思っています。ギャガのスタッフたちも注目しているでしょうし、この映画を通じてパラマウントの仲間たちと、これまでにはない新しい結果を作っていけるチームになりたい。そんな思いで、取り組んでいます。ご期待ください。(了)

(c)2011 PARAMOUNT PICTURES. All Rights Reserved.


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