■グランドフィナーレ(NHK放送センター)
日も落ちてライトアップされたステージに、南海キャンディーズ・山里亮太、各局代表するパーソナリティ(青井実、小島慶子、K太郎、吉田尚記、やまだひさし)と、高校生サポーターたちが集合。代表パーソナリティからは「しゃべり手にとっても新鮮だった。ぜひラジオは大陸だと思って、気長に長い旅をして、いつか自分にとっての最高の場所が見つかることを祈っています」(小島慶子)、「今日がラジオの夜明けだったと言われるように、明日から前に進んでいきたい」(K太郎)、「ラジオは絶対に手作り。昨日と同じ事が絶対にない。人のダイレクトのやり取りがあるので、そういうものが欲しいときに、友達のリストの中にラジオも入れて欲しい」(吉田尚記)などと会場に呼びかけた。
今回の主役である高校生からは「全く聴かないテレビっ子だが、ラジオの熱さ、楽しさを感じることができ、新しい世界を広げることができた」「今まで何となく聴いていたけど、もっと色んな番組を聴いて探して、もっと大好きなラジオになりそう」「1~2年聴いていなかったけど、今回スタッフとして参加して、何で今まで聴かなかったんだろう、バカだなあと思った。今日スタッフでいれて、本当に良かった」などと感想が述べられた。
そしてこの場で、第2回NHK・民放連共同ラジオキャンペーンが来年大阪で開催されることを発表。最後はNHKの青井実アナウンサーが「はじめまして、ラジオです。まずはお友達からお願いします」と閉会宣言を行い、幕を閉じた。
グランドフィナーレの前には、統括プロデューサーのTBSラジオ加藤嘉一社長(左)、NHKの山田建ラジオセンター長(右)が取材に応じた。
加藤氏は「『ラジオというものは、なかなか良いメディアなんだな』ということを、リスナーとともにラジオ局側の人間も改めて再確認できたのではないか。この思いを持って明日から業務に取り組むことが、各局において必ず良い結果をもたらし、リスナーにも届く」、山田氏は「熱が入っていながら砕けて、まさにラジオのテイスト。大変大きな成果を上げた」とそれぞれ感触を語った。
また、NHKと民放という枠組みを越えた取り組みについて、山田氏は「初めはイメージが浮かばなかったが、ラジオというメディアを良くしたいという思いは共通だったので、良い形になった。これは1回では終わらせない取り組みにしなければいけない」と強調。加藤氏は「むしろなぜこんなことが今までできなかったのか、正直不思議に思っている。難しいこともあったが、通常の業務でもある想定内の難易度だった」と語った。
イベントの内容について、加藤氏は「この企画を考えたときに、まず各局の代表パーソナリティを揃えてラジオを聴かない人を入れてトークセッションはすぐに絶対やろうと思っていた。これがイメージ通りにできたので良かった」と総括。山田氏は「リスナーは大変良い質問をしていた。人にものを尋ねることの本質が分かっている。ラジオを聴いて対話や人とのしゃべる時の礼儀、思いやりが醸成されていたら素晴らしいことだ」と語り、これには加藤氏も「同感です」と深くうなずいた。
NHKは、民放の「radiko」に続き、インターネットでのサイマルラジオ「らじる★らじる」のサービスを開始。山田氏は「大変なツールを手に入れた。ラジオの番組を拡げさせて頂くことに関しては格好のチャンス。若い人たちやラジオの初心者にタッチして頂ける機会が大変広がったので、期待を持って展開したい」と語った。(了)