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大高宏雄の興行戦線異状なし Vol.23

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大高宏雄の興行戦線異状なし Vol.23

2011年03月29日

◎映画を見たい人たちのマインドが戻りつつある

 公開延期となった作品の続報をする。3月19日からの公開が延期されていた「ザ・ライト~エクソシストの真実~」は、4月9日から丸の内ルーブルほかで公開の運びとなり、「世界侵略:ロサンゼルス決戦」は、秋の公開で調整が進んでいるとのことである。「かぞくはじめました」と「ヨギ&ブーブー わんぱく大作戦」は、公開自体が中止となった。

 早い段階で、公開が行われるのはいい。そもそも「ザ・ライト~」に関しては、プリントの配送が間に合わなかったというのが大きな理由であったのだから、当然の公開だろう。配給側も、少し冷静になってきたのだと思う。ただ、「唐山大地震」などは公開のめどがたっていないが、こればかりは致し方ない。

 さて、大震災後2週間以上が過ぎた。災害のあまりの大きさから、この時期が春興行であるのも忘れがちだが、今は春興行の真っただ中である。それを再確認して、3月27日現在の作品別の興行成績を見てみよう。

 上位作品は、「ナルニア国物語:第3章 アスラン王と魔法の島」(145万5435人・20億7260万5850円)を筆頭に、「SP 革命篇」(119万6013人・15億0989万5800円)、「映画ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団~」(123万7972人・13億6414万9500円)、「塔の上のラプンツェル」(63万7834人・9億3231万7800円)と続く。

 とくに注目されるのは、この土日(3月26、27日)の成績が、前週土日比較では、「塔の上~」が118%、「映画ドラえもん~」が104・2%、「SP~」が93・4%と健闘していることである。映画を見たい人たちのマインドが、少しずつ戻ってきたのだと考えられるが、これは単純にいいことである。今年の春興行の最終分析は、また後日ということにする。

 ところでこの2週間、マスコミでの映画の話題が非常に少なかったなか、岩手県・宮古で映画館が再開され、子供たちが楽しそうに映画に見入っていた姿が報道された。これには、私自身が勇気づけられた。映画は、必要とされている。映画関係者は、このことをしっかりと認識すべきだろう。私は、改めてそう思ったのである。

(大高宏雄)
 

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