閲覧中のページ:トップ > コラム > 放送デスクコラム >

テレビ広告費は底を脱したか?

放送デスクコラム

最新記事

テレビ広告費は底を脱したか?

2011年02月24日

 5年連続減少していた「テレビ広告費」(衛星放送、CATV含まない)は2010年、微増ながらプラスに転じた。回復基調にあるが、底は脱したのだろうか。

 23日発表された「2010年(1月‐12月)日本の広告費」(電通調べ)。総広告費は5兆8427億円、前年比1.3%減で3年連続減少となったものの、前年(09年)の11.5%減と比べマイナス幅が大幅に縮小した。その中で「テレビ広告費」は1兆7321億円、前年比1.1%増と健闘した。

 注目したいのは「テレビ広告費」における出稿企業全21業種の推移。前年(09年)は伸びた業種がわずか3業種だったが、2010年は13業種に増えたことだ。

 全21業種の中で、それぞれ10%超の高いシェアにある3大業種のうち、「化粧品・トイレタリー」が前年比6.6%伸びた。残念ながら「食品」「飲料・嗜好品」は前年を割ったものの、「食品」は0.6%の微減に留まっている。その3業種に続いてシェアが高い「情報・通信」は16.8%増と大幅に伸び際立っている。いわゆる携帯電話や通信サービス・インターネットなど。この辺りの上位の業種は2011年も引き続き伸びが期待されそう。

 また「自動車・関連品」も伸びた。タイムでは低下がみられたが、スポットが大きく伸長した。ただ、エコカー補助金の効果とみられ今後の推移は微妙だ。

 ちなみに、前年を上回った13業種は、「エネルギー・素材・機械」「化粧品・トイレタリー」「ファッション・アクセサリー」「精密機器・事務用品」「家電・AV機器」「自動車・関連品」「家庭用品」「出版」「情報・通信」「金融・保険」「外食・各種サービス」「教育・医療サービス・宗教」「案内・その他」。

 テレビ広告費の内訳をみると、スポットが1兆189億円(6.8%増)と1兆円台に回復、プラスに転じて好調にあるが、タイムは7132億円(6.1%減)と依然苦戦が続く。よく云われるように、企業側が固定費を避ける傾向にあるためだ。だが、このところ民放キー各局でタイム前年超の傾向が出てきた。明るい兆し。ただ、不安定な世界情勢、ますます混迷する日本の政局にあって、予断出来ない状況はまだしばらく続きそうだ。

過去のタイトル一覧

2016年

12月

2015年

1月│ 2月│ 3月

2014年

2月│ 3月│ 6月│ 8月

2013年

1月│ 2月│ 3月│ 4月│ 5月│ 6月│ 7月│ 8月│ 9月│ 11月│ 12月

2012年

1月│ 2月│ 3月│ 4月│ 5月│ 6月│ 7月│ 8月│ 9月│ 10月│ 11月│ 12月

2011年

1月│ 2月│ 3月│ 4月│ 5月│ 6月│ 7月│ 8月│ 9月│ 10月│ 11月│ 12月

2010年

10月│ 11月│ 12月