民放テレビ・ラジオ202社の従業員総数は2万4362人(2010年7月末時点)で、15年連続で減少しているという。民放連調査でこの程分かった。
前年(201社/2万4709人)と比べると347人減少(1・4%減)した。最も多かったのは93年の2万9979人で、3万人に近かった。好景気に恵まれ、平成新局など地方の民放局が誕生したのも要因だ。が、以来減少傾向にあるそうだ。いわゆるバブル景気(昭和61年~平成3年/86年~91年)が弾けたのと呼応して、規模の引き締めに入ったと推測される。ちなみに、男女別にみると、男性8割弱の1万9187人、女性2割強の5175人。平均年齢は41・6歳。
NHKの従業員はおよそ1万人強なので、NHK2対民放5の割合。比較してNHKがいかに強大かがわかる。
NHKと民放を合わせると約3万5千人。日本の放送マスコミはこの3万5千人を中心に動いているということか。周辺の関係業界を合わせれば、膨大な数の人たちが放送業界を支え、動かしているというわけだ。しかし2年余前、08年秋のリーマンショックもあって、経費削減が進められており、この従業員の減少傾向は続くものと予想される。
ただ、09年および10年に新たに認定されたBS放送事業者が今年秋から来年にかけて続々と新スタートする。もし、新BS放送事業者が民放連に加盟したら、従業員総数は増えるかもしれない。「BS11デジタル」の日本BS放送が昨年春に加盟した。日本BS放送は、民放キー局系ではなく、系列のネットワークをもたない、いわば独立系BS放送事業者。同様に新BS放送事業者が今後加盟してくる可能性はある。10社近くあるうち、ディズニー系は加盟を希望しているという。既存BS放送「TwellV」のワールド・ハイビジョン・チャンネルも加盟を希望する可能性もある。
民放連では、一般社団法人化することもあって、定款変更の作業を行っている。それに伴い、加盟資格の基準についても見直し、検討中。新BS放送事業者が加盟を求めてきた時に備えてのことだ。
とはいえ、新BS放送事業者はもともと大半がCS放送事業者として展開しており、民放連に加盟するか否かで、放送をめぐる従業員の総人口に変動があるわけではない。ただ、マンパワーは一つの目安。もちろん、それだけで媒体力を測ることはできないが、放送業界をめぐる環境が厳しい中で、今後どう推移していくのか、気になるところでもある。