閲覧中のページ:トップ > コラム > 放送デスクコラム >

スカパー!でオリンピック中継やりましょう

放送デスクコラム

最新記事

スカパー!でオリンピック中継やりましょう

2011年01月20日

 多チャンネル放送視聴世帯数は1097万件(10年11月末)。1千万件を突破した06年から4年余も足踏み状態にあって、業界の最大テーマになっている。

 衛星放送協会の和崎信哉会長(WOWOW社長)は1月17日の年頭会見で、主な要因は番組が視聴者に知られていない事を挙げ、番組の認知向上と事業者自らのブラッシュアップ、努力が必要だと強調した。もちろん伸び悩みの要因は他にもあるでしょう。衛星放送協会内に多チャンネル研究所を発足し、この2年余、研究・分析もなされている。関係者は頭を悩ませ、打開策を模索している。

 そんな中で提案してみたいのが、CS放送での「オリンピック」中継だ。爆発的に加入数が増えるかどうかは置いといても、確実に一段ステージが上がる。インパクトは大きい。これをテコに活性化を図ることが期待できる。オリンピックを題材に多様な番組作りや編成も可能で広がりがある。

 五輪の多種多彩な競技の中継は多チャンネル放送の特性に合う。それこそ存在意義を見出せる。地上波が中継しない種目もカバーして広く視聴者を掘り起こす。出来れば3D放送がいい。この先オリンピックの3D放送はあり得る。TVメーカーは既に目をつけているはず。現状地上波での3D編成は難しいが、スカパー!には3D専門チャンネルがある。人気種目が3Dで視聴出来るなら注目度は高い。

 もちろん課題は大山積。ただ、オリンピック放送権料の高騰を逆にチャンスに出来ないか。民放連広瀬道貞会長は昨年9月の会見で、「Wカップサッカー南アフリカ大会」の収支は、オリンピックも含め、ジャパンコンソーシアム(JC/NHK・民放)が放送権獲得対応した歴史の中で「初めての赤字となり、ショックを受けた」と話した。放映権料と番組制作費を足した費用が、広告収入を上回り赤字となった。オリンピックも同様の懸念がある。NHK・民放は、10年バンクーバー冬季五輪と12年夏季五輪(ロンドン)を合わせて、放送権料325億円で取得したと云われている。今後も懐事情は厳しい。

 CS放送側の思い切った決断が求められる。W杯サッカー中継の延長戦上と捉えて成せば道も開いてくる。対費用効果の懸念は大きいが戦術を期待し、オンデマンドも取り組めれば多様なデバイスにも対応できる。

 当然、業界関係者は考えている。コンセンサスを得るにナーバスな問題。ゆえに水面下で動いているのではないかと想像もする。ある事業者の方と話をした時、意欲的に語っていた。そう思う人は少なくないようだ。

(戎正治)

過去のタイトル一覧

2016年

12月

2015年

1月│ 2月│ 3月

2014年

2月│ 3月│ 6月│ 8月

2013年

1月│ 2月│ 3月│ 4月│ 5月│ 6月│ 7月│ 8月│ 9月│ 11月│ 12月

2012年

1月│ 2月│ 3月│ 4月│ 5月│ 6月│ 7月│ 8月│ 9月│ 10月│ 11月│ 12月

2011年

1月│ 2月│ 3月│ 4月│ 5月│ 6月│ 7月│ 8月│ 9月│ 10月│ 11月│ 12月

2010年

10月│ 11月│ 12月