110度CS放送(スカパー!e2)の委託放送事業者認定に申請する事業者は40チャンネルを超えた―との観測がCS放送業界で流れている。某会社がチェックしたところ「30チャンネルぐらいまで数えたが、途中でやめてしまった」というから全くの噂ではないようだ。
今回の申請受付は、およそトラポン2本分の帯域。16スロット程度のハイビジョン放送なら5~6チャンネルが見込まれるので、熾烈な争いになるのは間違いない。
申請希望が多いのは、SD(標準)放送から高画質放送に帯域を拡大したい既存の110度CS事業者のほかに、スカパー!(124/128度)からの参入組みが多数いるためだ。スカパー!の加入者純減が止まらない事もあって、スカパー!e2に活路を求めている。
ただ、進出すればトラポン代などコスト高になる。小規模の事業者にとってはそう簡単ではない。総務省は比較審査基準を見直すことも検討しており、厳しい審査・認定になることが予想されるため、申請を諦める事業者も出てくるだろう。まして、現状あくまで希望でとりあえず名乗り上げている事業者も少なくないため、実際の申請ではどれほどの事業者になるかは定かではない。
昨年までに新BS放送が認定され、BS放送において映画系、スポーツ系、アニメ系が揃った。そのため、前述の某社の担当者は「今回の認定では、ジャンルで言えばそれ以外のドラマ系や情報系、娯楽・趣味系などが有力なのでは」と話している。
受付時期はまだはっきりしないが3月以降になりそう。行方を見守りたい。
(戎正治)