クローズアップ:ベガーズJ、テープス・エン~初来日公演
2006年11月24日
〜ライブ会場にビデオカメラの持ち込み可
ネットにアップ、ファンの口コミ効果狙う
ベガーズJ、テープス・エン~初来日公演〜
米国ではネットでブレイク ベガーズ・ジャパンから10月11日にアルバム「ザ・ルーン」をリリースした米4人組ロックバンド「
TAPES'N TAPES(テープス・エン・テープス)」が来日する。12月4日、東京・代官山UNITで「ベガーズ・ナイトVol.1」と題して単独公演を行う。
テープス・エン・テープスは03年に結成。パンクやブルース、アートロックから民俗音楽まで、幅広いジャンルの音楽を取り入れたスタイルを持つ若いバンドだ。今回初となる来日公演は、会場へのビデオカメラ持ち込み可を謳っている。その背景には、テープス・エン・テープスが米国で人気を獲得していった経緯が関係する。
米最大のSNSサイト「マイスペース」にアップされた楽曲を耳にし、動画投稿サイト「YouTube」で配信されたライブ映像を見たネットユーザー達が、サイトへの書き込みやリンク貼りを通じ、口コミでバンドの存在を広め、一躍人気に火が付いた。アルバム「ザ・ルーン」はインディーズながら1万枚を売上げた。
ファンがメディア、口コミで人気に 海外では、ファンがメディアにとって代わりアーティストを応援する傾向にある。「米国でブレイクした手法で同じ効果を狙いたい」とベガーズ・ジャパンの
デービス氏=写真=は話す。「ジェイムス・ブラントやダニエル・パウターの場合、テレビでスポットCMを流したり、ラジオで楽曲をかけたりと、メジャー・アーティストに合ったプロモーションのやり方がある。ベガーズ・ジャパンのアーティストは、インディーズ系が多い。彼らのスケールにあった手法でプロモーションを」と会場へのカメラ持ち込みを企画した。ベガーズ・ジャパンの強みであるフットワークの軽さと面白いことに積極的な姿勢も、この大胆な企画の実現を後押しした。
撮影は、著作権の問題やイベンターとの関係を考慮し、最後の1曲に限定した。それでもデービス氏は「動画や写真を撮影したら、必ず誰かに見せたくなるもの。個人ブログやミクシィなど紹介する環境は整っている。先日マイスペース・ジャパンもスタートした。とにかく、まずはみんなが面白がってやってくれれば」と、この企画がテープス・エン・テープスの日本でのブレイクに一役買うことに期待を込めている。
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ベガーズ・ジャパン…1977年、英ロンドンに設立されたインディーズ・レーベル「ベガーズ・バンケット」を母体とし、現在9ものレーベルを擁する「ベガーズ・グループ」。その日本支部が「ベガーズ・ジャパン」。「ベガーズ・バンケット」「XLレコーディングス」「4AD」「トゥー・ピュア」「プレイラウダー・レコーディングス」の5レーベルを束ねる。今年ワーナーミュージック・ジャパンとライセンス契約を結び、第1弾としてレディオヘッドのフロントマン、トム・ヨークのソロアルバム「イレイザー」を7月にリリースし話題となった。