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トップインタビュー:岡崎市朗 パラマウントピクチャーズジャパン代表取締役

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トップインタビュー:岡崎市朗 パラマウントピクチャーズジャパン代表取締役

2010年02月01日

    「話題性」と「共感」、パラマウントの進む道


 2010年に3年目を迎えるパラマウント。岡崎代表は2つのキーワードを強く打ち出し、困難な洋画配給事業に突き進む。あたり前のことをあたり前にせず、あえて口に出して言ってみる。会社の方向性を明確にすることは、意外や簡単なことではない。その成果はいかに―。



 ―― 前回、インタビューしたのは、08年の4月号でした。そのときは、ディズニーのDNAについて話しましたね。

 岡崎(=左写真) そうですね。まだこのオフィスが始まって間もない頃だったと思います。そのときに話したのは、MPAの会合に行ったら、あまりにも昔見た顔ばっかりだったので、まるでディズニーみたいだったということでした。

 ―― ただもう、ディズニー云々という話は、過去のことです。今回は、この2年にわたるパラマウント・ジャパンについて、じっくり話をしてもらおうと思います。

 岡崎 とにかく、一番、言いたいことはマーケットの変化ですね。だから、今までと同じことをしていたのではだめだと思うんです。どちらかというと業界の中での位置を築くということよりも、消費者にしっかり目を向けるという形にしていかなければいけないんだと思っています。それと、約2年間この会社のメンバーでやってきて、まだまだ阿吽の呼吸とまではいかないということもありますね。そこでラインナップを発表するというこの機会に、来年に向けてテーマを持っていこうと決めました。皆で一つの方向に向かうという姿勢が出ることによって、この組織の一体感がより強く出てくるだろうと思ったわけです。


ラインナップ発表

 ―― 最近、米メジャー系の日本支社が映画業界紙向けのラインナップ発表を開催しなくなっているなかで、パラマウントが11月下旬にそれを行ったのは有意義だったと思いますね。力のほどを感じました。

 岡崎 コミュニケーションの一つのツールになるかなと思って。意識的にそういう風に働きかけていこうかなと。

 ―― 阿吽の呼吸とまではいかないというのは、どういうところですか。

 岡崎 この会社自体が始まった時から、いろんな会社から人が来ていますし、今までのやり方や、担当部署が変わったりと色々とあったので、皆が暗中模索なところがあった。それと共にマーケットがどんどん変化してきているので、その変化に対して、皆どうやるんだろうと、疑心暗鬼になったということもありましたね。

 ―― この2年間、公開本数がある程度絞られているということは良かったんでしょうか、悪かったんでしょうか。仕事的、組織的に。

 岡崎 良かったと思います。本数は少ないのですが、やるべきことはとても多いんです。もう少し効率的にやることも考えなくてはいけないし、しっかり優先順位をつけて仕事を進めていかなくてはいけないということを、少ない本数の中で一人一人がじっくり確認できたことは良かったことです。一方、我々が求められているのはプロセスではなく、あくまでも結果じゃないですか。結果を出す機会が少ないというのは、いろんなトライは出来ないですよね。数をこなしていくことも、今後重要になってきます。

 ―― 少ないのは、本社の理由でしょうけれど。

 岡崎 スタジオの製作本数が絞られているのは事実です。もう一つには日本公開に不向きな作品、ジャンルがあるということです。これは市場の変化が大きいです。今までヒットしたものが、今は難しくなっている。コメディ、ホラー、B級アクションなど、今挙げたジャンルの洋画で近年ヒットした作品が少なくなっている。何しろ今、可能性のあるものでさえ、手を出すのが難しくなってきているので、難しいものにチャレンジしていくということになると通常以上のことをしなくてはならない。通常以上というのは、通常以上にお金をかけるのかということも考えなくてはならない。


(※全文は文化通信ジャーナル1月号に掲載)

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