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映画・映像宣伝に必要な機能をワンストップで提供、新会社「サーティースリー」設立

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映画・映像宣伝に必要な機能をワンストップで提供、新会社「サーティースリー」設立

2021年01月21日
サーティスリー代表の田中氏(左)と久保田氏(右).jpg


 新しい宣伝会社「株式会社サーティースリー」が1月4日付で設立された。

 同社は、ムサシノ広告社の久保田光治氏(=写真右)とCAMDENの田中慎太郎氏(同左)の共同運営による映画配給レーベル「REGENTS(リージェンツ)」の宣伝部を分社化し設立した新会社。設立にあたり元REGENTS宣伝部スタッフに加えて、新たなパブリシスト、プロモーションプランナー、デザイナーなど、新しい社員も採用し全13名での船出となり、今後も積極的な採用を行なっていく考え。

 サーティースリーの最大の強みは、映画・映像をはじめとするエンターテインメントコンテンツの宣伝プロデュース&パブリシティに加え、広告・販促・デジタルマーケティング・クリエイティブの機能を備えたトータルプロモーションを提供できる点だ。一般的に配給会社や映像メーカーが外部にプロモーション業務を委託する場合、「パブリシティ会社」「広告代理店」「デザイン会社」「SP代理店」「デジタルPR会社」など、個別の会社に委託しハンドリングすることが多いが、同社はその全ての業務を引き受けられるという。

 宣伝グループは、宣伝プロデューサー2名、パブリシティ業務は2チーム制を敷き、より作品に寄り添い丁寧な対応をできるようにする。広告・販促・デジタルグループは、『サイコパス』『GODZILLA』『僕のヒーローアカデミア』などヒット作品のプロモーションを手掛けてきた久保田氏が従来得意とする広告・販促領域に加えて、特にSNSマーケティングを手がけるチームを強化している。ツイッターなどのSNSは、作品の顔となる重要なツールになっているが、逐一情報発信やレスポンスが必要であり、機能のアップデートも多く、運用には手間がかかる。そういった課題解決への需要が増える中で、元々インターネット広告代理店出身でデジタル領域のプロモーションにも長けていた久保田氏は、SNSの運用委託をこれまで以上に多く受託できる陣容を整えた。クリエイティブグループは、映画のキービジュアルや各種グラフィックデザインを手掛けていく。また自社のデザイナーだけでなく、専門家の目線で様々な外部デザイナーに対しアートディレクションも可能となり、宣プロが固定のデザイナーに依頼しがちなクリエイティブ面で、より幅広い選択肢を提供する。


フレッシュなメンバー、アニメや海ドラも手がけていく

 新会社を設立した経緯について、田中氏は「もともと(久保田氏と)新法人立ち上げを考えていたが、少し予定が遅れていた。しかし、新型コロナの影響で時間ができた昨年5月頃から具体的に話を始めた」と説明する。久保田氏は「今世界中が新型コロナウィルスによって未曾有の恐怖におちいっている中、エンターテインメントはいつでも人々の心を明るく前向きにしてくれている。エンタメは衣食住に加えて生きていく上で必要なことだと改めて実感した。今だからこそ我々は、クリエイターが精魂込めて作り上げた作品を、宣伝という届ける仕事で、唯一無二の信頼を築いていける会社を目指そうと思った」と話す。また、他方から出資の話も受けたが、最終的には自身の力で「勝負に出る」と独立した経営を決断。「コロナ禍で前例のない選択肢を迫られることも多いかと思うが、社員を守り会社を成長させるために必要な意思決定を、スピードと正確性を持って行なっていきたい」と、迅速さを重視した会社運営を図る。

 スタッフの多くが20~30代とフレッシュなメンバー構成。久保田氏によると、アニメ、海外ドラマも得意とするスタッフが多く、今後は劇場版作品だけでなく、TVアニメや海ドラの宣伝も受託していく考え。田中氏は「もちろん利益は重視しているが、社員の誰かが本気でやりたいかどうかも大事にしている。『好きだ』という思いを尊重して仕事を作っている」と、情熱を持って作品に接することに重点を置く。


千代田区六番町に構えたオフィス.jpg
千代田区六番町に構えたオフィス


 すでに続々と宣伝受託作品が決まっており、情報解禁済みのものでは、1月8日公開の『スタントウーマン』(配給:イオンエンターテイメント)を皮切りに、『マーメイド・イン・パリ』(ハピネット)、『シドニアの騎士 あいつむぐほし』(クロックワークス)、『21ブリッジ』(ショウゲート)のほか、TVアニメ「ゆるキャン」が待機している。

 なお、社名の「サーティースリー(33)」は、久保田氏と田中氏のラッキーナンバーが共に「3」だったことから、数字を組み合わせて命名したという。


ブラックカルチャー&音楽映画専門マーケレーベルも

 また同社では、ブラックカルチャーや音楽をテーマにした映像作品を専門に扱うマーケティングレーベル「33 PRG LABEL(仮称)」を立ち上げる。久保田氏はREGENTS在籍時にも『オール・アイズ・オン・ミー』『アンクル・ドリュー』『ブラインドスポッティング』などの作品を手がけてきた。「昨今『ゲット・アウト』『ストレイト・アウタ・コンプトン』や『ブラック・クランズマン』などヒット作品も増えている。また、ブラックライヴズマター運動は日本人にとっても他人事ではない。音楽やファッション業界では昔から様々な取り組みが行われているが、我々は映画・映像の角度から、一過性の流行りではなく、カルチャーとして日本で根付かせていけるよう様々な挑戦を行なっていく」(久保田氏)とし、自社のメンバーだけでなく、外部の有識者やメディアも含めたメンバーを編成し、配給会社や映像メーカーが同ジャンル作品を扱う際、専門性と汎用性を兼ね備えたチームに依頼が可能な体制を作っていくという。


取材・文 平池由典

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