2014年6月開幕するサッカーWカップ・ブラジル大会。日本代表はグループリーグC組に決定し、日本時間で6月15日(日)午前10時「コートジボワール戦」、6月20日(金)午前7時「ギリシャ戦」、6月25日(水)午前5時「コロンビア戦」が行われることになった。前回2010年南アフリカ大会に続き、今回も決勝トーナメント進出、さらには上位食い込みが期待され、大いに盛り上がりそう。
ゆえに放送界では、どの局が中継出来るかが注目の的。前大会より採算とれず、高額な放送権の負担は悩ましいものの、主に午前帯の放送ながら一大イベントで高視聴率が期待されるだけに、まずはグループリーグ3戦の中継をゲットしたいと願っている。
これまでは、3戦のうち、NHKが少なくとも1試合を中継し、あとの1試合か2試合を民放が「くじ引き」で決めてきた。前々回06年ドイツ大会はNHK2試合、民放1試合となり、民放はテレビ朝日がゲットした。前回10年南アフリカ大会はNHK1試合、民放2試合となり、テレビ朝日、日本テレビがゲットした。
今回ブラジル大会のNHKと民放の試合分担は現在交渉中と見られ、3戦のうちNHKが1試合となるか2試合となるかが注目で、近く決定する。これには放送権負担の割合が交渉を左右する。ちなみに初戦はこれまではNHKが放送しており、今回の初戦コートジボワール戦もNHKが中継する可能性が高そうだ。
そして、民放は12月18日(水)試合選択会議を開き、放送試合を決定する予定。民放はこれまで「くじ引き」で決定しており今回も同様の「くじ引き」を行うと見られる。箱の中のボールを引くのだ。ドイツ大会ではテレ朝武居康仁氏、南アフリカ大会ではテレ朝板橋順二氏と、テレ朝の編成担当者が続けて1番を引いて中継権を得た。南アフリカ大会の2番手は日本テレビだった。今回、好運を手にするのはどの系列局か。そして誰に託すかも注目されそうだ。
ちなみに、前回南アフリカ大会で、日本は決勝トーナメントに進出したため、4番手を引いたTBSが好運をゲットした。TBSが日本のグループリーグ2位通過のカードを指名したことで、それが大当たりとなったのだ。決勝トーナメント1回戦「日本×パラグアイ戦」を中継し57.3%の驚異的な視聴率を記録したのだ。これはサッカーW杯視聴率の歴代6位(歴代1位はフジテレビ2002年日韓大会・6月9日(日)20時「日本×ロシア」66.1%)、TBSにとって歴代トップの数字となった。実は当時、日本の決勝トーナメント進出は難しいのではと見られ、3番手のフジテレビが海外の好カードを指名したため、TBSにチャンスがまわってきたというわけだ。今回のブラジル大会。日本代表は着々と実力をつける一方、比較的好グループリーグに恵まれたとの見方もあり、決勝トーナメント進出が大いに期待されるため、くじ引きで1番手でなくとも好カードをゲットできる可能性が高くなってきた。日本代表が上位に進めば進むほど、高視聴率が期待される。そのあたりの読みも、カード選びの重要なポイントとなりそう。いずれにしても12月18日、すべてが明らかになる。
前回・前々回W杯サッカーの日本戦と視聴率(関東地区)は次のとおり。
■06年ドイツ大会・日本代表戦
▽NHK6月12日(月)21時50分「オーストラリア戦」49.0%
▽テレ朝6月18日(日)21時35分「クロアチア戦」52.7%
▽NHK6月23日(金)3時30分「ブラジル戦」22.8%/37.2%
■10年南アフリカ大会・日本代表戦
▽NHK6月14日(月)23時54分「カメルーン戦」45.5%
▽テレ朝6月19日(土)20時10分「オランダ戦」43.0%
▽日テレ6月25日(金)3時「デンマーク戦」30.5%
▽TBS6月29日(火)22時40分「パラグアイ戦」(決勝T1回戦)57.3%
(戎 正治)