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【デスクと記者の雑談放談】カラオケが驚異の進化?

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【デスクと記者の雑談放談】カラオケが驚異の進化?

2013年09月09日

【 デスクと記者の雑談放談 】



週の初め。月曜日の午前10時半。今日も社内の小さな会議室で、デスクと記者が業界の様々な話題、うわさ、出来事、ニュースについてあれやこれやと雑談、放談…。



今回のテーマ
~そうだカラオケに行こう! ~


デスク:最近カラオケに凝ってるらしいじゃないか。“ひとりカラオケ”が楽しくてしょうがないって? ちょっと想像できんな。しかしまあ、良い機会だから最近のカラオケ事情をリポートしてくれ。市場が伸びたらしいじゃないか?

記者:そうなんです。全国カラオケ事業者協会のまとめによると、2012年度(2012年4月~2013年3月)の市場規模が前年度の6054億円→6146億円と伸長しました。業務用カラオケ市場は1996年の1兆2980億円を最高に縮小し続けてきたのですが、15年ぶりにプラスに転じたんです。

 市場を二分するメーカー2社=第一興商とエクシングが、そろってフラッグシップ機種を投入したインパクトが大きかったですね。第一興商はLIVE DAMシリーズの最新型「LIVE DAM GOLD EDITION」(下の写真左)、エクシングはJOYSOUNDシリーズの最新型「JOYSOUND f1」(下の写真右)です。

LIVE DAM GOLDEDITION.jpgJOYSOUNDf1.jpg

デスク
:なるほどな。そういえば、昨年は、音楽ソフトの生産額(日本レコード協会発表のレコード生産実績)が14年ぶりに前年を上回った。聴くCDの売り上げが改善して、つれて歌うカラオケも活気を取り戻したというふうに見てとれるな。

記者:カラオケはヒット曲があってこそですから、その視点はひとつですね。メーカーが満を持して最新機種を投入したところに、AKB48のミリオンヒット連発などが上手く作用したのは確かでしょう。しかし、今のカラオケの現場ってそう単純なものでもなくなっているんですよ。

デスク:どういうことだ? カラオケなんて、カラオケボックスで若者グループがヒット曲歌ってはしゃいでいるイメージか、スナックでオヤジがママと往年の演歌・歌謡曲をデュエットしているイメージぐらいしか浮かばないけどな。

ちょいカラ.jpg記者:頭が古いですね。カラオケも多様化の時代です。一人だけでじっくり歌って楽しむ“ひとりカラオケ”はその典型。ブームどころか定着して、特化型店舗もあります。ゲームセンターには、プリクラに似たボックスまで登場しているんですよ。ほら、これですよ。
 
デスク:「ちょいKARA」? ちょっと待ってくれ。こんな中で一人で歌ってなにが楽しいんだ? ストレス発散なら、自宅の風呂場で歌えばいいだろう。どこが違うんだ?

記者:全然違いますよ。(1)採点 (2)つながり がキーワード。例えば、風呂場での熱唱にプロが点数をつけてくれたら? その歌声を世界中に配信できて、点数によって世界規模でランキングされるとしたら? 面白いでしょう。

デスク:そんなことが可能になっているのか? デジタル分野の話は苦手だが、自分の歌声が世界的にちょいとどんなレベルにあるのかは興味がなくもないな。

記者:そうでしょう。テレビのバラエティー番組でもひっぱりだこですけれど、近頃のカラオケ採点機能はすごいんです。プロも唸る精密度を誇ります。そして、その成果をSNSで共有して楽しむ。ネットを通じて知り合った仲間とコラボだってできちゃうんですよ。

 いやもっと言えば、楽しむだけに留まらない。というのは、カラオケSNSから応募できる芸能オーディションがどんどん増えているんです。オスカープロモーション×青二プロダクションの「全日本美声女コンテスト」もそうだし、ホリプロの「ホリプロタレントスカウトキャラバン」(募集終了)もそう。人気アイドルグループ“LinQ”の新メンバー募集もかかっています。要は、ここから一気にデビューだって夢じゃないわけです。

>>第一興商のSNS「DAM★とも」

デスク:90年代にプリクラから応募する芸能オーディションなんてのがあったのを思い出すな。今では動画になった上に、歌唱審査まで一気にできちゃうのか。時代の進化だな。
精密採点.jpg
第一興商の「精密採点DX」


記者:進化といえば、カラオケの背景映像ですよ。今やアーティスト本人が登場するのは珍しくない。ミュージックビデオどころか、ライブ映像を楽しみながら歌える楽曲が増えています。いわゆる“LIVEカラオケ”ですね。16:9のHD高画質で、まるでアーティストと一緒にステージに立っているような感覚が味わえますよ。メーカー2社が創意工夫して差別化を図りながら、コンテンツ獲得で熾烈な競争を繰り広げています。

デスク:そりゃファンにとっては堪らないだろうな。でも、ここまで聞いていると若者向きの話ばかりだ。中高年にとって嬉しい話題はないのか?
カラオケSNS.jpg
エクシングのSNS「うたスキ」での動画コラボの様子


記者:いわゆるナイト市場(スナック、クラブなど)も機種や環境は格段によくなっているし、演歌・歌謡曲のライブ映像配信なども出てきてはいるんですが……。デイ市場(カラオケボックスなど)に比べれば、目立たないのは否めないですね。とはいえ、業界全体としてはこの中高年層に注目しています。特に、定年を迎えてなお元気な団塊世代に、カラオケに帰ってきてほしいと。

デスク:カラオケが誕生して広まったのが1970年代だから、団塊世代にはどんぴしゃだな。リタイア後の趣味としてはうってつけかもしれない。歌うのは体にも良さそうだしな。

記者:実際に、医学的な見地からも、カラオケと健康に関する研究がなされています。いわゆるエルダー市場の開拓では、もともとナイト市場に強みをもっている第一興商がリードしていますね。カラオケを用いた高齢者向け介護予防・健康増進コンテンツ配信システム「DKエルダーシステム」の導入施設が1万2000カ所を突破。同社の業績を牽引するまでになっています。

デスク:なるほどな。そういった取り組みは、これからの超高齢化社会に向けて、カラオケ業界だけでなく、エンタテインメント業界全員で注目しておきたいな。対するエクシングはどうなんだ? 

記者:エクシングは、業界最多の配信曲数を誇ります。若者に大人気のボーカロイド楽曲だけで3000曲を超えました。歌うだけでなく楽器を演奏する機能があったり、カラオケに関連したアプリの配信など積極的ですね。そしてこの7月から、ユーザー自身が自主制作した楽曲をカラオケで配信できるサービス「キョクプロ」もスタートしたんです。
楽器演奏.jpg
カラオケで歌って楽しむだけなんてもう古い?


デスク:カラオケは楽曲配信を待つ時代からとうとう自分で創れる時代になったか。ニコニコ動画が新しい音楽市場を生んだように、今後、カラオケルームから斬新なヒット曲が生まれる可能性があるわけか。

記者:どうですか? 久々にカラオケに行ってみたくなったでしょう? 今晩あたりどうすか?

デスク:ようしっ、必殺ゴールデンボンバーをお見舞いしてやろうじゃないか!

(了)


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