7月27日(土)、大雨で開始から約30分で中止となった「第36回隅田川花火大会」(東京)。中継していたテレビ東京は昨年の花火大会の映像を流すなど苦慮したが、視聴率は9.4%と、07年以降、この7年間で最高の数字を獲得した。番組は台風リポートに様変わりしたかのようで、ずぶ濡れで中継する高橋真麻アナウンサーの奮闘ぶりが話題を呼んだ。視聴者の関心を集めて、昨年の7.2%を大きく上回った。ちなみに、06年は10.2%だった。
一方、そのウラで、NHKがあの「ダイオウイカ」のドキュメンタリーを放送。今年1月NHKスペシャルで放送し16.8%というドキュメンタリーでは異例の高数字を獲得し、黄金に輝く神秘的な姿を初めて撮影、注目を集めた番組の続編といえる。「シリーズ深海の巨大生物」と題し、2回シリーズの初回で、その後の分析からダイオウイカの生態を解明した内容を紹介した。視聴率は9.5%と、19時半からの番組としては高数字となった。翌日のシリーズ2回目 “深海ザメ” も圧巻だった。現在、国立科学博物館で特別展「深海」が開催中のほか、映画化にもなって8月17日から公開される。ダイオウイカさまさまだ。
しかし、このダイオウイカの撮影には並々ならぬ苦労が…。このほど「ドキュメント深海の超巨大イカを追え!」(NHKスペシャル深海プロジェクト取材班、坂元志歩著)が出版され、小笠原の海で10年以上にわたってダイオウイカを追い続けてきた男たちの奇跡の物語、その苦難の道が明かされている。年月と費用をかけ、撮影できるのか、番組化できるのか、NHKスタッフ・プロデューサーらの葛藤と苦労は感動のストーリーとして響くのではないか。
その週末は、「東アジアカップサッカー」や「半沢直樹」などの一方で、こうした番組が目を引いた。
(戎 正治)