ニトリ、元警察庁官と元国税庁官の二人を社外取締役に
2013年04月19日
北海道を中心に大型家具店を全国展開する(株)ニトリホールディングス(代表取締役:似鳥昭雄)が、4月16日に発表した役員人事は関係者を驚かせたはずである。
5月17日付で取締役(社外取締役)に、元警察庁長官の安藤隆春氏(昭和24年8月31日生)と元国税庁長官の竹島一彦氏(昭和18年3月16日生、公正取引委員会委員長)が就任するというもの。
映画業界では、通常資本的関係企業やビジネス・パートナー企業の代表者クラスが就くケースが多い。例えば、松竹では東急電鉄の上條清文氏であり、東映ではテレビ朝日の早河洋氏と東急電鉄の越村敏昭氏である。
社外取締役とは、文字通り社外の人が就くポジション(取締役)だが、「知恵蔵2013」によれば、「内部昇格した常勤の取締役に対し、これらの取締役の業務執行を外部の視点から、社内のしがらみや利害関係に縛られず監督できるのが社外取締役」とある。米国では取締役の半数以上が社外取締役に占められ、株主の利益を代表する取締役といった見方もされている。
そういう意味では、ニトリホールディングスにおける、元警察庁長官の安藤氏と元国税庁長官の竹島氏の二人の就任はこれ以上ない最適な人事と言えよう。
しかしながら一方で、「警察庁長官」「国税庁長官」といったキャリアを社外取締役として迎え入れるのは、ニトリホールディングス内部で何か大きな問題を抱えているのではないかと、痛くない腹を探られたりして、かえってマイナスイメージになったりするのではないかと見られたりもする。
今後のなり行きが注目される。
(取締役会長:指田 洋)