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時代はめぐる視聴率―テレビ朝日念願の年度G・P帯トップへ

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時代はめぐる視聴率―テレビ朝日念願の年度G・P帯トップへ

2013年03月29日

 テレビ朝日2012年度平均視聴率ゴールデン帯・プライム帯のトップが確実となった。2012年「年間」プライム帯トップに続き、開局以来初の快挙となりそう。プライム2帯(テレビ朝日系のみ呼称の時間帯/23時~25時)は8年連続トップへ。全日帯については、日本テレビがトップを死守する見込みだが、その差は0.1ポイントの僅差だ。

 その一方で、フジテレビの転落ぶりが目を引く。ここ最近では、久しく苦戦が続くTBSと並ぶようになった。いま、テレ朝・日テレのトップグループと、フジとTBSの3位グループに2極化している。振り返れば、かつての王者2局が…との思いだ。

 TBSは1963年から1981年までG帯で19年間トップだった。その間の1978年には民放初の3冠王となっている。TBS黄金時代だ。それ以降は以下のとおり。

(以下は年間ベース)
1982年~1993年 フジテレビ12年連続3冠
1994年~2003年 日本テレビ10年連続3冠(ノンプライム加えると4冠)
2004年~2010年 フジテレビ7年連続3冠
2011年      日本テレビ3冠
2012年      日本テレビ全日・G帯2冠/テレビ朝日P帯1冠

 今でこそ万年4位のTBSだが、他局に3冠を獲られようとも常に上位争いしていた。フジは80年代、いわゆる軽チャー路線、「楽しくなければテレビじゃない」をキャッチに大躍進。毎週のように “大入り袋” と、今では考えられない時代で、長期政権を築く。やがてバラエティ等で力をつけた日テレがトップの座につくが、巨人戦の視聴率低迷を契機に、再びフジがトップを奪還するという劇的な展開となる。

 時代はめぐるかのようだが、これら視聴率争いの陰では、ライバル局を相当に分析した成果もあげられる。かつては、名プロデューサーなる人物らを尾行して、いつ、誰と会ったか、そこまで研究したこともあったようだ。

 テレ朝は慶大と共同で始めた番組アンケート調査「リサーチQ」の活用や、サッカーや水泳など大型スポーツの放映権取得を契機にじわり数字を伸ばす。2002年の全社変革推進運動に始まり、人員体制・体質改善を進めて今日につながる。いまテレビ朝日の時代がめぐってきた。全日が僅差に詰め寄る勢いにあって、次なる目標は全日・G帯・P帯の3冠だ。押され気味の日テレがどう巻き返すか。世代交代も課題というフジの3度目の劇的勝利はいつ来るか。

 2012年度視聴率の結果は4月1日(月)明らかになる。その日は入社式。各局の社長はどんな挨拶をするのか、これにも注目したい。

(戎 正治)

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