JASRAC賞30年、分配額が一番多かったのは
2012年12月22日
記念式典「JASRAC賞30年の歩み」開催
30年間の分配額1位は「世界に一つだけの花」
一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)は11月5日、「けやきホール」(東京・渋谷区上原JASRAC本部隣接)で『JASRAC賞30年の歩み』と題した記念式典を開催した。
「JASRAC賞」は1982年に創設された音楽賞。前年度に作詞者、作曲者、音楽出版者へ分配した著作物使用料の分配額が最も多かった国内作品の上位3作品に「金賞」「銀賞」「銅賞」を、最も分配額の多かった外国作品に「外国作品賞」を、海外の著作権管理団体から最も入金の多かった国内作品に「国際賞」をそれぞれ贈っている。
毎年5月に贈呈式を開催。今年の贈呈式(2012年5月23日開催)をもって、創設30回目の節目を迎えた。JASRACはこの節目の年を記念して、これまで「JASRAC賞」受賞の栄誉に輝いた作詞者、作曲者などの創作の功績を称えるとともに、「JASRAC賞」が人々が身近に利用している音楽の著作物使用料に基づく音楽賞であることを理解してもらうため、『JASRAC賞30年の歩み』を開催。「JASRAC賞」歴代受賞者による座談会と特別表彰を実施した。
●歴代受賞者による座談会
座談会には、四方章人氏(作曲家/第4回金賞「浪花節だよ人生は」作曲)、湯川れい子氏(作詞家/第5回金賞「恋におちて」作詞)、朝妻一郎氏(フジパシフィック音楽出版代表取締役会長)、山崎燿氏(作曲家/第30回金賞「ヘビーローテーション」作曲)の4氏が出席。反畑誠一氏(音楽評論家、立命館大学客員教授)の司会進行のもと「偶然と必然…日本の音楽シーン進化の30年」というテーマで、30年の間に「JASRAC賞」金賞を受賞した楽曲を振り返りながら、各氏が、受賞作にまつわる創作活動のエピソードや日本の音楽シーンの変化について語った。
●30年間累計の上位3作品表彰
特別表彰は、「JASRAC賞」が創設された1982年6月から2012年3月までの間に分配した著作物使用料の、各年度の上位100作品の分配額を集計し、30年間累計の1位から3位までの作品の作詞者、作曲者、音楽出版者を表彰した。
1位(金賞)は「世界に一つだけの花」(作詞・作曲者:槇原敬之/音楽出版者:ジャニーズ出版)、2位(銀賞)「居酒屋」(作詞者:阿久悠/作曲者:大野克夫/音楽出版者:テレビ朝日ミュージック)、3位(銅賞)「ふたりの大阪」(作詞者:吉岡治/作曲者:市川昭介/音楽出版者:プロデュースハウス都)。
当日は、金賞受賞者からSMAP稲垣吾郎(喜多川擴ジャニーズ出版代表取締役社長の代理。作詞・作曲の槇原敬之はビデオ映像で出演)、銀賞受賞者から深田太郎氏(作詞の故・阿久悠氏の代理、阿久氏の息子)、大野克夫氏(作曲)、吉田真佐男テレビ朝日ミュージック代表取締役社長(音楽出版者)、銅賞受賞者から吉岡あすか氏(作詞の故・吉岡治氏の代理、吉岡氏の娘)、市川昭太(作曲の故・市川昭介氏の代理、市川氏の息子)、野田雅美プロデュースハウス都代表取締役社長(音楽出版者)の各氏が登壇しそれぞれ受賞の喜びを語った。
SMAP稲垣吾郎は喜多川社長の手紙を代読。「この度は、大変素晴らしい賞を賜りありがとうございます。『世界に一つだけの花』は、槇原敬之さんから生まれ、SMAPの5人によって新たな息吹を吹き込まれ、多くのみなさまの心に届き愛され『JASRAC賞』30年を通して、分配額1位という成績を残すことが出来ました。これからも『世界に一つだけの花』は、SMAPが心を込め大切に歌い続けていきますので、もっともっとこれまで以上にたくさんの方々の心に届くことを願っております。槇原敬之さんをはじめ関係者のみなさま、応援して下さったみなさま、本当にありがとうございました」と話した。