及川光博の“相棒”卒業の裏側…
2012年02月22日
テレビ朝日の人気ドラマ「相棒 Season10」に出演してきた俳優でありアーティストとしても活動中の及川光博が“特命係”から卒業することになった。
昨年、同ドラマに出演していた女優・壇れいと結婚したことから、“特命係”の“相棒”である水谷豊の逆鱗に触れたとか、及川の人気に水谷が嫉妬したとかで、業界内には「今回のシリーズが最後」なんていう噂が流れていたが、今回は、ある意味では噂通りとなった感じだ。もっとも、及川事務所の関係者は、そういった降板理由を一蹴しているのだが…。
言うまでもなく及川は、寺脇康文からバトンタッチする形で、09年の“Season7”の最終回から出演、その後は、“Season8”“Season9”、そして、現在放映中の“Season10”と…。これまで3シリーズに亘って“警視庁特命係”で主演の水谷の“相棒”として出演してきた。
そういった中で“Season9”は、同シリーズとしては過去最高の平均視聴率20.4%を叩き出すなど、同局にとっては、開局以来の“お化けドラマ”になった。この視聴率には、テレビ朝日の早川洋社長も大喜びだった。何と言っても、開局以来2組目と言われる「テレビ朝日栄誉賞」を贈ったほどだ。因みにだが、早川社長は開局50周年を迎えた09年にテレビ朝日の社長になったが、何と言っても親会社の朝日新聞社出身ではなくプロパー社長。しかも、その年から視聴率が上昇ムードになったわけだから、それは機嫌もいいはず。…と言うより実に強運の持ち主である。
今回の“Season10”も平均で16%前後の視聴率を上げている。それで、頭を悩ませたのがアーティスト活動にも全力を上げている及川だだった。ドラマの視聴率が上がり、注目度が高まることに不満は全くない。しかし、その一方でドラマが2クールというのは大きな負担となってきたと言うのだ。「半年間の拘束は大きな重荷だった」とも言われる。いずれにしても詳しい事実関係は分からないが、そういった事務所の事情が及川の“特命係”卒業になっていったいったことも確かのようだ。
いずれにしても、ドラマ自体から“卒業”とは言わず、あくまで“特命係”を卒業――言うことで落ち着いたということか。早い話が「今後もスペシャルや映画化などがあった場合、それなりの形で出演する可能性もある」ということだろう。理屈はどうであれ、ミッチーが出たことで、シリーズ最高視聴率を更新したことは確かだし、無下には出来ないってことなのかもしれない。
いずれにしても、“特命係”から卒業することで、ドラマから解放された及川は今後、本格的にアーティスト活動に全力をあげるという。まず、ドラマ「相棒 Season10」の最終話となる3月21日に合わせてオリジナル・アルバム「銀河伝説」を発売するというから、これにはレコード会社も計算高い!! それも、及川にとってはデビュー16年にして初めて“及川光博&The FANTASTIX”というバンド名義でのアルバムとなるようだ。
因みに、この“及川光博&The FANTASTIX”というのはドラム、ベース、キーボード、ギター、管楽器の編成で、及川を含めて8人組バンドになるんだとか。まあ、新しいスタイルでやっていこうという、及川なりの意気込みなのかもしれない…。
しかも、所属レコード会社の「喝采」によると、今回のアルバムというのは、CDパッケージのみでの発売を予定していて、いわゆる「レコチョク」や「iTunes」を含めたデジタル音楽配信というのは行わない方針だと言う。「CDショップの奮起を期待したい。全国ツアーとも連動して、CDの販売施策も考えています」と担当者。要するに、ドラマと言う呪縛から解け、しばらくはアーティストとして活動するから「まずはアルバムを買ってくれ!」っていう及川の意気込みを示したものとなっているのかもしれない…。
しかも、アルバム発売に連動して、新バンド“及川光博&The FANTASTIX”では全国ツアー「及川光博ワンマンショーツアー2012『銀河伝説』」も、アルバム発売直後の3月24日の東京・八王子市民会館(オリンパスホール八王子)を皮切りに繰り広げる、夏まで全国各地で回ると言う。
…実に慌ただしい。これでは「相棒」を続けていくのは無理である。
(渡邉裕二)